丸善ジュンク堂書店は、秋の読書週間に合わせ、全国の書店員がおすすめする本を集めた「店員おすすめの100冊」フェアを2021年10月10日(日)より、全国の店舗で開催いたします。

店員おすすめの100冊フェア

本フェアは、全国の丸善ジュンク堂書店グループの従業員から「おすすめの1冊」とそのおすすめコメントを募集し、寄せられた数百冊の中から、仕入れ担当者やべラテン書店員7名で構成する選考委員会が絞り込んだ100冊を展開するものです。

◇開催概要
期間:2021年10月10日(日)~11月9日(火)
開催店舗:店舗によって開催規模が異なります(一部、開催のない店舗もあります)が、以下の38店舗では100冊すべてを店頭にて展開いたします。

北海道・東北
ジュンク堂書店 旭川店、MARUZEN&ジュンク堂書店 札幌店、ジュンク堂書店 盛岡店、丸善 仙台アエル店、戸田書店 山形店、戸田書店 三川店
関東
丸善 日立店、丸善 水戸京成店、丸善 津田沼店、ジュンク堂書店 南船橋店、ジュンク堂書店 池袋本店、丸善 丸の内本店、丸善 日本橋店、丸善 お茶の水店、MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店、丸善 ラゾーナ川崎店、ジュンク堂書店 藤沢店
中部・東海・北陸
MARUZEN&ジュンク堂書店 新静岡店、戸田書店 富士店、丸善 松本店、丸善 名古屋本店
近畿
丸善 京都本店、ジュンク堂書店 松坂屋高槻店、MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店、ジュンク堂書店 大阪本店、ジュンク堂書店 難波店、ジュンク堂書店 天満橋店、丸善 高島屋大阪店、ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店、ジュンク堂書店 西宮店、ジュンク堂書店 三宮店、ジュンク堂書店 三宮駅前店、ジュンク堂書店 神戸住吉店
中国・四国・九州・沖縄
丸善 広島店、ジュンク堂書店 広島駅前店、ジュンク堂書店 福岡店、ジュンク堂書店 鹿児島店、ジュンク堂書店 那覇店

◇選考委員からのコメント
私たち書店員は何より本が好きで、毎日の新刊を目にし、様々な本の情報に接しながら本を仕入れ、自分でも読み、店頭に並べていく日々の中で、「これは」と思う本を、是非多くのお客様に紹介したいという想いで満ち溢れています。
そんな想いを汲み上げ、ストレートにお客様に伝える試みをしてみたいと思い、過去には店舗が閉店する際に「本当に売りたかった本」といった切り口でフェアを展開することはありましたが、今回はそれを秋の読書週間のメインイベントとして開催致します。
今回のこの「100冊」の選考は、まずは丸善ジュンク堂書店グループの全従業員に〈渾身の1冊〉を挙げてもらいました。結果として、〈世界観が変わるような1冊〉〈人生が揺さぶられるような1冊〉を、多くのスタッフが熱意溢れたコメントとともに推薦してくれました。コミック、詩集、ミステリ、ノンフィクション、哲学書 etc.とジャンルは多岐にわたり、どれも捨てがたい本でしたが、予想を大幅に上回る数百冊の推薦の中から苦渋の選択で絞りこんだ結果、これ以上はどうしても減らすことのできない100冊のリストが出来上がりました。最終的に、往年の名作から最新の注目作までバラエティーに富んだラインナップになっております。また、カオティックな本の世界を体現するため、あえてリストの分類はせず、単行本も文庫、新書、コミックも混じり合っています。
2021年の秋、ぜひ書店に足をお運びいただき、ご自分の〈この1冊〉を見つけて下さい。

◇「店員おすすめの100冊」リスト
こちらからPDFでもご覧いただけます

1. 『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』 川内有緒(集英社インターナショナル)
幼い頃から見えないために、コップの形すらも視覚としては知らない白鳥さんと、ピカソ、国宝の仏像から現代美術までをも鑑賞します。もちろん触れずに。どうやって? 一緒に鑑賞している気分でわくわく楽しんでいるうちにたどり着くところは…。紙の本ならではの仕掛けも、ぜひご覧下さい。(ジュンク堂書店 難波店/人文担当 Su)

2. 『シンジケート 新装版』 穂村弘(講談社)
〈呼吸する色の不思議を見ていたら「火よ」と貴方は教えてくれる〉
現代短歌の原点にして頂点。穂村弘さんの第一歌集が、ヒグチユウコさんの絵と名久井直子さんの装丁で新たに生まれ変わりました。秋の眠れない夜長、色んなひとや出来事に思いを馳せつつ読みたくなるような1冊です。(ジュンク堂書店 池袋本店/文芸担当 M・I)

3. 『数学者たちの楽園』 サイモン・シン(新潮社[文庫])
”訳者まえがき”で紹介されるように、「ザ・シンプソンズ」はアメリカのテレビアニメとしか、私も知りませんでした。著者は、そのアニメの秘密の世界、脚本家チームに「数」を深く愛する人たちがいて、さまざまな数学がちりばめられていたことを教えてくれます。(ジュンク堂書店 三宮駅前店/社会担当 N・I)

4. 『旅をする木』 星野道夫(文藝春秋[文庫])
アラスカは自然がとても厳しい。それが意味するものは常にいつ死ぬかもしれないという状況に置かれているものだと思う。しかし時折見せる雄大な自然の美しさ、先住民族との交流……それが生きることの喜びを与えてくれる。わたしたちがこれからどう考えどう生きていくか、考えるきっかけを与えてくれた一冊。(丸善 お茶の水店/人文担当 地方のソウルフード、ついつい食べたくなる)

5. 『海獣学者、クジラを解剖する。』 田島木綿子(山と溪谷社)
著者のクジラたちへの熱意がこれでもかと感じられる一冊。それなのにびっくりするほど読みやすく話に引き込まれてしまいます。クジラを解体したあと自身につく異臭がすごくにおいを落とすのに苦労する話はついついクスっとしてしまいます。(丸善 アスナル金山店/理工担当 Y・N)

6. 『わたしたちが光の速さで進めないなら』 キム・チョヨプ(早川書房)
美しさと強さを併せ持ったSF短編集。優しさと哀しさが同居し、その示唆が格別で何度も心が揺り動かされる。心が震えるってこういうことなのか。赦すことや逃げ出すこと。認めることは勇気がいって怖いけど、自分で決断していい。そう諭してくれるみたい。人生の宝物のような1冊。(ジュンク堂書店 秋田店/文芸担当 735号)

7. 『十角館の殺人 新装改訂版』 綾辻行人(講談社[文庫])
結局これ!!どんでん返しを売りにした小説は結構ありますが、これ以上の衝撃を受けたことまだありません!!犯人がわかった時鳥肌立っちゃいます!!(ジュンク堂書店 鹿児島店/文芸文庫担当 女ねずみ小僧)

8. 『西の魔女が死んだ』 梨木香歩(新潮社[文庫])
不登校になり、まわりが責めるよりも自分で自分を責め続けた頃にこの物語に出会えたことで10代だった私はどれだけ救われたことだろう。規則正しく、おいしい食事と植物にかこまれた生活の中で、主人公に語る西の魔女の言葉は自分にとって薬のようだった。大人になった今でも特別なお守りのような1冊だ。(ジュンク堂書店 福岡店/文庫新書担当 ヤマグス)

9. 『夜と霧 新版』 ヴィクトール・E・フランクル(みすず書房)
いわずと知れた古典的名著。人生の目的とは何か? 人間が生きる意味とは何か? 強制収容所の極限状態の生活から、あるひとりの精神科医が見出した「それでも人生にイエスと言う」ための答え。不朽の名著とはいかなるものか? この本を読めばわかる。(丸善 名古屋本店/人文担当 鉄仙)

10. 『「空気」の研究 新装版』 山本七平(文藝春秋[文庫])
空転する会議、上司に忖度する部下、設定される達成不可能な目標。日本組織の不思議は組織を支配する空気にある。なんだかおかしいなと思っているすべての働く人に絶対読んで欲しい。1977年に発表された作品とは思えない現代日本にも存在し支配し続ける「空気」の存在に迫った名作。(ジュンク堂書店 池袋本店/副店長 hn)

11. 『空飛ぶ馬』 北村薫(東京創元社[文庫])
数多ある「日常の謎」を扱ったミステリ、その元祖ともいうべきなのが「円紫師匠と私」シリーズ。これはその記念すべき第1作です。本格推理小説でありながら、謎を解くうちに触れる人の心の優しさ、怖さを通し、主人公の<私>が成長する青春物語でもあります。先ごろコミカライズ版も発売されたので、そちらもあわせてぜひ。(丸善 丸の内本店/PC担当 T.O)

12. 『自分の時間』 アーノルド・ベネット(三笠書房)
時間は誰にでも等しく、1日24時間与えられており、その中でいかに有効活用するのかという人生の普遍的テーマが1冊に凝縮されています。自分の人生を豊かにしたい人、人生に悩んでいる人には、是非とも手にしてほしい1冊です。人生の迷子になっている人も自分の時間の使い道、考えてみませんか?(MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店/理工担当 マリアンヌ)

13. 『おんなのことば』 茨木のり子(童話屋)
つまらない(間が詰まっていない)とみなされることに敏感な世の中では、”間”はあまり心地の良いものではないのかもしれない。しかしそれは、何かが不足しているわけではなく、何かを感じさせるための余白なのではないだろうか。つまらない、あえて詰め込まない状態から美しさや面白みを見出すこともできる。私はそれを詩を読むことで知った。(ジュンク堂書店 藤沢店/人文担当 C.K)

14. 『羆嵐 改版』 吉村昭(新潮社[文庫])
日本史上最悪の熊害(ゆうがい)事件「三毛別羆事件」を元に書かれたドキュメンタリー小説。読後は誰彼構わず事件について語りだす危険人物と化し、隙あらば薦め、初めて企画したフェアは「羆」。一体何がそうさせるのか。きっと読めばわかるはず。(福岡外商部 書店員F)

15. 『凍』 沢木耕太郎(新潮社[文庫])
帰りの電車の中で読み始めた。帰宅してからも読んだ。その日は友人と会う約束があった。友人宅へ向かうJRの中で読み、友人と会ってからも隙あらば読んだ。友人には嫌な顔をされたが、止めることができなかった。長い間本を読んできたが、こういう体験はこのときだけだった。それがこの「凍」である。(丸善 天文館店/文芸担当 Y・M)

16. 『街場のメディア論』 内田樹(光文社[新書])
間違いなく私の思考を形づくってくれた一冊。決して易しい文体ではありませんが、物事の本質が見事に言語化されています。最終章、戦場で前線が崩壊したとき指揮官が最後に宣言する言葉が登場しますが、今、この混沌とした時代を生きる私達に一番必要な言葉かもしれません。(丸善 お茶の水店/理工担当 無水鍋)

17. 『大正時代の身の上相談』 カタログハウス(筑摩書房[文庫])
密やかな悩み事には大正も令和も(出版は平成)関係ありません。誰に相談すれば良いのか悩んだ挙句やむを得ず… な、あまりにも赤裸々な相談内容に対しての回答が、寧ろSNS上での大喜利かと思うくらいの突っ込みの鋭さ(笑)(丸善 京都本店/副店長 Y・H)

18. 『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』 デヴィッド・グレーバー(岩波書店)
テクノロジーの進化は、約束された労働時間の劇的な削減に繋がっていません。その仕事に就く本人が「無意味で不必要、有害」と考える「ブルシット・ジョブ」が蔓延るせいです。他者をケアし、身を粉にして働く「シット・ジョブ(クソ仕事)」こそ「エッセンシャル・ワーク」だと、今や多くの人は気づいています。昨年早世した人類学者の傑作!(ジュンク堂書店 難波店/店長 (フ))

19. 『手の倫理』 伊藤亜紗(講談社)
消毒することが日常となり、人間同士のコミュニケーションが大きく変わったこの時代にこそ読むべき、触れる/触れられること、介助から性愛まで様々な触覚による関係性のかたちを説いたすこぶるおもしろくてためになる本です。(ジュンク堂書店 三宮店/店長 OH)

20. 『翻訳教室』 柴田元幸(朝日新聞出版[文庫])
他の言語を訳すことの難解さ、面白さがこの1冊に凝縮されている。大学の授業をまとめたものであるため、教授と生徒の熱のこもったやりとりが凄まじい臨場感で押し迫ってくる。これまで何気なく読んでいた本も字幕も、ここまで考え抜かれているのかと思うと、驚きを禁じ得ない。さあ今すぐ教室の席を確保しよう!(ジュンク堂書店 難波店/人文担当 大和駆)

21. 『流れる星は生きている 改版』 藤原てい(中央公論新社[文庫])
三人の幼子を連れた壮絶なる引き揚げ記として戦後すぐベストセラーになった本書。母として、強くあらねばならなかったていさんの生き抜く力は、何年経とうと色あせる事なく、怖い程眩しい。だからこそ、最後の言葉が胸に刺さる。(戸田書店 富士宮店/学参担当 F)

22. 『神様ゲーム』 麻耶雄嵩(講談社[文庫])
読んだ後、誰かにすすめたくなる本ナンバーワン!読んで論争したい本ナンバーワン!とにかく読んで欲しい本ナンバーワン!最後のページの衝撃はミステリの中でもダントツではないでしょうか。(ジュンク堂書店 三宮駅前店/雑誌担当 Y・Y)

23. 『銃・病原菌・鉄 上』 ジャレド・ダイアモンド(草思社[文庫])
今のコロナ禍の中で是非読んでもらいたい本筆頭です!!20年前に刊行されている本なのですが、病原菌はどのようにして感染者を増やし増殖していくのかとても分かりやすく考えさせられる事が沢山あります。また、人類の文化の発展は緯度や地形が関与していることなど人類学を学んでみたい人にはまずこの本から読んでみることをオススメします。(ジュンク堂書店 上本町店/学参担当 ak)

24. 『ゼロからトースターを作ってみた結果』 トーマス・トウェイツ(新潮社[文庫])
生活を支える工業製品の基本技術について、ほとんどの人が仕組みを知らずに使用しています。環境問題、消費社会など、現代の社会問題を含めもし世界に何かが起きて日々あたり前にあるものが無くなったことを想像しながら読むと、世界の見え方が少し違って見えるかもしれない1冊です。(丸善 日本橋店/文庫新書担当 YS)

25. 『使ってはいけない言葉』 忌野清志郎(百万年書房)
人生という旅の途中でわすれものをしちゃいそうなとき、「ほら!ここだよ。」って清志郎さんがおしえてくれる。その声、その言葉は、心のいちばん大切な場所にスッと届くのです。それを地図として、また旅を続けていけます。(ジュンク堂書店 秋田店/語学担当 38号)

26. 『cook』 坂口恭平(晶文社)
この「料理の本」にレシピや料理方法、コツなどはほぼ書かれていない。著者の坂口恭平氏が20代から対峙している「躁鬱」の中で料理をはじめ、その本質に触れる中で遂に躁鬱への有効な対処法を発見する過程を記録したドキュメンタリー「cook」。書店として置き場所に迷う規格外なこの本を必要とする多くの人に届け!という思いを込めて。(丸善 多摩センター店/文具担当 T.Y)

27. 『ブタとともに』 山地としてる(青幻舎)
「命をいただく」ということ。大切に育てた動物を大切に食べるということを伝える食育の一冊でもありますが、宮沢賢治の「フランドン農学校の豚」とともによむと、より胸に届くものがあります。(ジュンク堂書店 大泉学園店/芸術担当 S・U)

28. 『21世紀に生きる君たちへ』 司馬遼太郎(朝日出版社)
司馬遼太郎が小学6年生の国語教科書のために書いたことばです。それは日本だけではなく世界へ向けてのメッセージでした。歴史があってこそ21世紀という「未来」がある。そして自然を大事にせよ、科学技術が人間を飲み込んではならない、お互いに助け合っていくことなど荘厳さを感じる貴重な本です。(ジュンク堂書店 難波店/文芸担当 M2)

29. 『転がる香港に苔は生えない』 星野博美(文藝春秋[文庫])
変わり続ける香港の一瞬の「時代」を、生々しくも鮮やかに切り取ったノンフィクション。そこに生きた人たちの貴重な証言はこんなにも重たいのに、その声が時代に対してあまりに虚ろなものだと実感する。だからこそ、書店員として10年後、20年後も売り続けたい傑作。(ジュンク堂書店 鹿児島店/社会担当 H・U)

30. 『読んでいない本について堂々と語る方法』 ピエール・バイヤール(筑摩書房[文庫])
この本は30か国で売れている世界的ベストセラーであることを、ほとんどの日本人は知らない。そして、私はこの「読んでいない本について堂々と語る」スキルのおかげで、人間関係で悩み続けることが全くなくなった素晴らしい本です。ちなみに私は、この本を買いましたが、中身は読んでいません!(ジュンク堂書店 難波店/商品課 ミント)

31. 『これからの「正義」の話をしよう』 マイケル・サンデル(早川書房[文庫])
「正義」とはなにか。正解のない究極の難問を考え、自身と他者の正義がぶつかる。あなたの正義は他者の正義と同じなのか。あなたは多数派なのか、少数派なのか。みんなで悩み続けよう。(ジュンク堂書店 秋田店/雑誌担当 A.T)

32. 『豚の死なない日』 ロバート・ニュートン・ペック(白水社[Uブックス])
少年は、いつまでも少年のままでは居られない……米国の貧しい農家の家に産まれた少年が、誇り高く厳格な父の教えの下、大人へと導かれていく傑作ジュブナイル小説。アメリカ版『君たちはどう生きるか』。読んだ後、「もっと早くに読んでいれば良かった」と思える一冊。(丸善 京都本店/コミック担当 ベイブ)

33. 『反論の技術』 香西秀信(明治図書出版)
正しいから反論できないのではない。反論できないから「正しい」のである―。何かとエビデンスを求め「はい、論破!」などと得意顔のあなたにおススメする目からウロコの指南書。正しい議論とは何か?教育書売場に置かれる隠れた名著に光を!(丸善 丸の内本店/人文担当 NBY)

34. 『辺境メシ』 高野秀行(文藝春秋)
※絶対に食事中は読まないでください。世界の辺境を飛び回ってきた著者、場所が辺境なら出てくる食べ物もモチロン辺境。食卓に並ぶのは、卒倒寸前ゲテモノ・珍品のオンパレード!秋の食欲が辺境に吹き飛ぶ、この本でしか出会えない爆笑の食レポ本。(丸善 京都本店/コミック担当 ピンクの悪魔)

35. 『人新世の「資本論」』 斎藤幸平(集英社[新書])
マルクスの生前には出版されなかった『資本論』2巻、3巻の草稿から今日的課題を読み解く画期的な著作です。資本主義の際限なき利潤追求を終わらせ、脱成長コミュニズムを実現する提案が新鮮です。(丸善 博多店/副店長 FM)

36. 『往復書簡 初恋と不倫』 坂元裕二(リトルモア)
会話形式なので書店員のくせに活字の詰まった本に胸焼けする私でもサクサク読め、感情の乏しい私でもニヤッとしたり、油断したらうっかり涙しそうな本です。うっすら人間嫌いで、いい歳こいて人見知りな自分が、読後、あぁ…誰かとちゃんと向き合って会話しようかな…と思わせてしまう本です。(丸善 天文館店/雑誌担当 T・N)

37. 『不道徳教育講座』 三島由紀夫(KADOKAWA[文庫])
初版発行は1959年!なのに現在にも通じる新鮮さがあるユーモアあふれるエッセイ集。三島由紀夫というと、軍服を着て日の丸の鉢巻を締めた「ミシマ」のイメージしかない人には特に読んで欲しい。真面目でちょっと皮肉屋だけど抜群に話の面白いおじさんがいます。(営業本部/コミック担当 H・K)

38. 『ブルーピリオド 1』 山口つばさ(講談社[コミック])
美術に興味がある人もない人も、その奥深さに引き込まれること間違いなし!生み出すことの難しさ、楽しさが全て詰まってい、、読んだあとは美術館に行きたくなります。(丸善 髙島屋堺店/文庫新書担当 A・S)

39. 『戦国のコミュニケーション』 山田邦明(吉川弘文館)
電話もインターネットもない戦国時代。現代に遺る戦国武将たちの手紙をもとに、手紙の内容や使者に求められる要件など当時の通信事情を明らかにしていく。中国の覇者・毛利元就が息子に送った愚痴の手紙なども取り上げられており名将の意外な一面も垣間見ることができる。読み物としても抜群に面白い。(丸善 名古屋本店/人文担当 鉄仙)

40. 『マリオネットの罠 新装版』 赤川次郎(文藝春秋[文庫])
赤川次郎の処女作にして最高傑作と名高い、一気読み必至のミステリ小説。著作数600を超えると言われる著者の作品達の頂点を見てみたくないですか?(丸善 ラゾーナ川崎店/文庫担当 J・I)

41. 『歩くひと 完全版』 谷口ジロー(小学館)
言葉での説明は驚くほど少なく、精緻な景色や表情の切り取り方ですべてが表現されている。散歩をしているときに訪れる、あの、ふっと心が解き放たれる瞬間まで確かに描かれているのだ。考えてみれば日々の心の移ろいはこんなではなかったか。感触を思い出しては静かに満たされ、次の休日にはどこを歩こうかと考える。なんて楽しいんだろう。(丸善 京都本店/文芸担当 Y・M)

42. 『なめくじに聞いてみろ 新装版』 都筑道夫(講談社[文庫])
昭和レトロを満喫できるアクション小説の名作。奇想天外な技を駆使する1ダースの殺し屋と対決し、一人ずつ始末していくストーリーは、いま読んでも抜群の面白さ。20年ぶりに復刊されたこの機会にぜひオススメします。(システム部 茸)

43. 『霧のむこうのふしぎな町 新装版』 柏葉幸子(講談社[文庫])
小学生の時に出会ってから、ずっーと心の片隅にある1冊です。知らない町にたった1人で紛れ込んでしまった少女が、町のふしぎな住人たちと”仕事”を通して繋がっていく物語です。読み終えた時は、町の住人や主人公にそっと背中を押して貰えた気がしました。これから新しい環境に飛び出す人にぴったりの本です。(ジュンク堂書店 上本町店/文庫担当 たぁ)

44. 『13歳からのアート思考』 末永幸歩(ダイヤモンド社)
アート好きに読んで貰いたい1冊。自画像を描いてみたり作品を見て感想を書いたり、本を読むというよりもまるで美術の授業に参加しているようでした。大切なのは作品をじっくり眺め、自分の受けた印象を具体的に言葉にすること。個性的すぎてわけがわからない現代アートも苦手じゃなくなりました。(ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店/学参担当 M・Y)

45. 『街どろぼう』 junaida(福音館書店)
「たくさんの人々に愛されていれば、きっと幸せになれるはずだ」身をさいなむ寂しさを埋めようと、夜な夜な街の欠片を盗んだ孤独な巨人がいました。彼の足元に賑やかな街が仕上がるとき、はたして何がおきるのでしょうか?こどもだけではなく、おとなの心にも語りかけてくれる美しい絵本です。(丸善 多摩センター店/児童書担当 いとう)

46. 『本を読む本』 M.J.アドラー/C.V.ドーレン(講談社[文庫])
本を読むとは何か?知的かつ実際的な読書の技術を解説し本の理解を深めるための読み方へ読者を導いてくれる。自分に合った今後の読書に活かせる方法が見つかるはず。より上質な読書ライフに。(丸善 名古屋本店/文庫担当 ひま(わ)り)

47. 『ソール・ライターのすべて』 ソール・ライター(青幻舎)
「ニューヨークが生んだ伝説の写真家」ソール・ライター。彼の撮ったニューヨークの街・人々。またその写真の色が非常に良い。とても美しい写真集です。(ジュンク堂書店 三宮店/芸術担当 S.O)

48. 『プラスチックスープの海』 チャールズ・モア/カッサンドラ・フィリップス(NHK出版)
2012年刊行なるも色あせない作品。プラスチックを使わないという簡単な選択がどれほど難しいことか。ようやく世界が追いついてきたこの問題に、市民科学者が提唱した事実に驚かされる。私たちはもっと現実を知るべきだし、自分の無知を恥ずかしく思った。(ジュンク堂書店 広島駅前店/理工担当 I.M)

49. 『ねじ式』 つげ義春(小学館[文庫])
この話を読んで受けた衝撃の強さを上回る作品には中々出会えません。一緒に収録されている『ヨシボーの犯罪』も是非読んでみていただきたいです。(ジュンク堂書店 三宮駅前店/実用担当 M・O)

50. 『少年が来る』 ハン・ガン(クオン)
本当に悲しいこと、あってはならないことに直面した時、罵詈雑言を発するのではなく、とても優しいことばで事件を綴る人たちの存在が描かれています。多くの方に読んでほしいです。(ジュンク堂書店 福岡店/文芸担当 C/M)

51. 『湯遊ワンダーランド 1』 まんしゅうきつこ(扶桑社[コミック])
近年とどまる所を知らないサウナブームに、待ったと拍車を掛ける。禁断と混沌のサウナエッセイ、ここに爆誕。アルコール依存症の著者が次なる精神的安息を求めた地、それは今まで無縁のサウナだった。脳がショートし、世界があいまいに「ととのう」めくるめくサウナワールドへようこそ。(丸善 京都本店/コミック担当 カンちゃん)

52. 『転生したらスプレッドシートだった件』 ミネムラコーヒー(技術評論社)
「Googleスプレッドシートは燃え尽きたExcel職人の魂で動いているんだ」――そうだったのか。これからはもっと敬意をもって使わねばな、と考えるかはさておき、そんなトンチキなタイトルとは裏腹に、実用性が高く読みやすい一冊です。Excel等の関数に興味があれば一見の価値あり。(ジュンク堂書店 立川髙島屋店/商品課 K・O)

53. 『武士の家計簿』 磯田道史(新潮社[新書])
幕末から明治。価値観が大変化した時代の、とある武家の生活や思想が、著者の軽快な筆致で小説のように描き出される。太陽暦への急な変更に戸惑ったり、孫と一緒に牛乳を飲むようになったりする武家のおじいちゃんの様子に親しみを感じ、当時の人の存在感を史料から直に知る醍醐味を味わえる。(ジュンク堂書店 大泉学園店/人文担当 T.M.)

54. 『獄門島 改版』 横溝正史(KADOKAWA[文庫])
秋の夜長の横溝正史。瀬戸内海の島で起こる連続殺人事件。島世界特有の閉塞感や、脈々と受け継がれる古い慣習。当たり前でないことが当たり前である社会、それに囚われた人間の恐ろしさよ。(ジュンク堂書店 広島駅前店/人文担当 KH)

55. 『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』 荻野弘之(ダイヤモンド社)
「生きづらさ」はあのヒトのせいでもこのコトのせいでもない。ましてやコロナなんて全く関係ない。自分も周りも幸せにできる秘訣が書かれています。「君ができること、まさにそのことに励めばよい。」自分の身となり骨となるまで何度も何度も読みたい。そう思わせてくれる1冊です。(ジュンク堂書店 松山店/人文担当 まりかとぅん)

56. 『タルト・タタンの夢』 近藤史恵(東京創元社[文庫])
美味しい料理、ちょっと不思議な事件、そしてその謎を解く風変わりなシェフ…これだけ気になるキーワードがそろっていたら、手に取らない理由はありません!しかも料理の描写が絶品で謎解きの爽快感と共に満たされます。短編でお手軽に読めるので、是非ともどうぞ。(ジュンク堂書店 広島駅前店/社会担当 Y.H)

57. 『ベルリンうわの空』 香山哲(イースト・プレス[コミック])
ベルリンでのほのぼの温かい生活を描いたこの本を読むと、穏やかな気持ちになり、ベルリンはいい街だなあと憧れるだけではなく、街を作るのは人であり、自分は著者の香山さんやそこに住む人たちのように優しくあるだろうかと自問を繰り返します。そしてまた手が伸びます。わたしのベッドサイドにいつもあります。(ジュンク堂書店 三宮店/店長 OH)

58. 『沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う』 山舩晃太郎(新潮社)
この一冊を読めばあまり耳慣れない水中考古学、断然興味が湧いてきます。とてつもない時間と予算をかけ根気よく一つ一つの船を、その時代背景を、詳らかにしていく・・・ミステリーです、ロマンです!!写真もイラストもあってとてもわかりやすく大興奮の一冊です。(ジュンク堂書店 吉祥寺店/理工担当 む)

59. 『ヴェネツィアの宿』 須賀敦子(白水社[Uブックス])
喪失をどこまでも柔らかい筆致で描く須賀敦子さん。父親、そして夫の死について語られた本書は静謐な文章だからこその、生々しい悲しみに満ちている。「死に抗って、死の手から彼をひきはなそうとして疲れはてている私を残して、あの初夏の夜、もっと疲れはてた彼は、声もかけないでひとり行ってしまった。」著者の裡から溢れる一文に打たれる。(ジュンク堂書店 三宮店/地図担当 H)

60. 『永遠の森』 菅浩江(早川書房[文庫])
あらゆるものを蒐集する博物館惑星が舞台の連作短編集。博物館のデータベースに直接接続された学芸員たち(部署間の調停役としてぼやきながらも奮闘する孝弘の姿にちょっと同情)の日常と、そこに持ち込まれる芸術品とそれに関わる人たちが織りなす物語はほろ苦くも優しい。秋の夜長におすすめの1冊。(ジュンク堂書店 福岡店/医学担当 Y・A)

61. 『言語学バーリ・トゥード 1』 川添愛(東京大学出版会)
東京大学出版会発行のPR誌「up」の連載「言語学バーリ・トゥード」を偶然読んで、いちびり具合とギャグセンスにうたれて著者の川添愛さんのファンになった。知的好奇心ビンビンになってウヒャウヒャ読める本ってサイコー。待ちに待った単行本。連載は続いているので楽しみは続くぜ。(ジュンク堂書店 大阪本店/芸術担当 ぷっぷのすけ)

62. 『マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界』 川畑智/遠藤英俊(文響社)
ただでさえイラっとするときがあるのに、認知症になった親に怒鳴らずにいられるのか…漠然とした不安がありました。でも認知症って全く分からないのではなく、こんな風に考えて行動してるんだと目から鱗でした。あんなこと言うんじゃなかったと少しでも後悔を減らせるよう読んでよかった1冊です。(ジュンク堂書店 天満橋店/人文担当 JTN)

63. 『バッタを倒しにアフリカへ』 前野ウルド浩太郎(光文社[新書])
国境も海も種族も超え、勇者ウルドは「バッタに食べられる」という子供の頃からの夢を叶えられたのか? バッタへの“好き”が高じ、今も蝗害と闘うアフリカはモーリタニアへと単身乗り込んだ著者の、愛と勇気の大冒険譚。あるいは、濃厚なバッタへのラブレター。「心がぴょんぴょん」すること請け合い。(ジュンク堂書店 立川髙島屋店/店長 M)

64. 『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか 上』 増田俊也(新潮社[文庫])
伝説の柔道家・木村政彦の生涯を知ることが出来るノンフィクション作品。徹底した取材は18年もの歳月を費やし、関係者の貴重な証言や著者の丁寧な考察など読み応えがあります。スポーツ好きな方もそうでない方にもおすすめできる1冊です。(ジュンク堂書店 天満橋店/文芸担当 H・U)

65. 『聲の形 1』 大今良時(講談社[コミック])
耳の聞こえない少女硝子と人間不信の少年将也。小学生時代の「いじめ」から約5年後、再会した二人は何を思うのか。聴こえなくても通じる気持ち、言葉を交わしても伝わらない想い。皆さんは自分の気持ち、伝えたい人へ、ちゃんと伝えられてますか?(丸善 博多店/サービスカウンター HS)

66. 『ミライの授業』 瀧本哲史(講談社)
「14歳のきみたちへ」で始まっていますがかつて14歳だった大人たちにも読んでもらいたい!知識、経験のある大人と未来、可能性のある14歳。共に未来を創る「冒険の書」。親子で読んでほしい1冊です。(丸善 八尾アリオ店/副店長 S・O)

67. 『シン・読書術』 渡邊康弘(サンマーク出版)
読書ってこんなに自由に楽しめるものなんだ!本を読むことは難しいことじゃない!楽しむ&学ぶ、自分のための読書スタイルを提案してくれる一冊。この本を読むと、もっとたくさん本が読みたくなる。(丸善 有明ワンザ店/書籍担当 satomi)

68. 『しあわせの書』 泡坂妻夫(新潮社[文庫])
できれば何も知らずに読んで欲しいと思うので、何を書くか困るのですが。物語は、新興宗教の陰謀がらみのお話です。探偵と犯人が登場します。初版発行は、30年以上も前なのに、その間読み続けられてきたこの1冊をぜひ体感してください。(ジュンク堂書店 広島駅前店/注文担当 F)

69. 『博物館のバックヤードを探検しよう!』 DK社(河出書房新社)
博物館のバックヤード、とても気になる響きですよね。数多のロマンが収められている気配がします。これはそんなときめく場所を、大きな写真とわかりやすい説明で、じっくり探検しつくせる図鑑です!ところで武器には毒が塗られていたものもありますが、長くて1500年ほど効果が持続するそうですよ!(丸善 天文館店/児童書担当 炙りダンボール)

70. 『ひきこもりグルメ紀行』 カレー沢薫(筑摩書房[文庫])
カレー沢薫先生の切れ味の良い文体で繰り出される全国各地のお取り寄せグルメ紹介。味やパッケージだけでなく、作っている会社や歴史にも踏み込んだリスペクト溢れる一冊です。まさか地元の銘菓が玄関に敷き詰めたいと表現されるとは。ステイホームのお供にぜひ。(ジュンク堂書店 大分店/実用担当 A-I)

71. 『星の時』 クラリッセ・リスペクトル(河出書房新社)
ウクライナ生まれ、ブラジル育ち作家の作品。海外文学の翻訳ならではの言葉遣いがとても心地よい作品です。綺麗な物語だからゆっくり楽しみたいのに、ストーリーは易しく読みやすいため、ついつい、さらさらっと読んでしまいます。解説にも書かれていますが、語り手が度々物語に介入している部分があり、そこが文学として面白いと感じます。(ジュンク堂書店 上本町店/実用担当 H・K)

72. 『文体練習』 レーモン・クノー(朝日出版社)
ある日バスで見かけた他愛のない諍い。1つの取るに足らない日常の出来事が、詩や会話、手紙と99通りの文体でそれぞれ紡がれてゆく。ただの言葉あそびの世界かと思いきや、最後に現実に引き戻されて思わずクスリ。言葉を味わう秋の夜長にうってつけの一冊。(MARUZEN&ジュンク堂書店 札幌店/店長 鷹)

73. 『夜のピクニック』 恩田陸(新潮社[文庫])
学生時代に手に取れてよかったなと思えた本です。主人公は男女2人いて、その関係性はすぐわかりますが、同じ学校で学んできた仲間たちの違った一面を最後の学校行事である「ただ歩くこと」の特別さで知る。そのことをとらえる二人の感情の違いの面白さ。心に残ります。(MARUZEN&ジュンク堂書店 新静岡店/社会担当 O.NO)

74. 『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』 丸山正樹(文藝春秋[文庫])
ろう者(聴覚障害者)の両親から生まれながらも聴者であり、所謂、手話ネイティブでもある自分の強みを活かし、法定などで通訳士として働く主人公の、聴こえる世界と聴こえない世界の狭間で揺れる心情を、繊細に描いた作品。現代日本社会において、ろう者というマイノリティの置かれている現状について、非常に考えさせられる作品でもあります。(ジュンク堂書店 名古屋店/文芸担当 K)

75. 『謎の物語』 紀田順一郎(筑摩書房[文庫])
読み終えた後からがこの本の真骨頂。読後の余韻を永遠に楽しめます。物語の結末が作者によって描かれず、読者の解釈に委ねられるリドル・ストーリーのアンソロジー。有名な『女か虎か』をはじめ15篇を収録したお得感満載の一冊です。(丸善 日本橋店/店長 T.I)

76. 『真贋』 吉本隆明(講談社[文庫])
偽もの、フェイクに惑わされない真実をとらえる術や、不安、混沌に立ち向かうより飛び越える「考え方」を説いた著書。吉本さんの穏やかな口調も感じられる1冊です。(ジュンク堂書店 大泉学園店/実用担当 A・T)

77. 『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎(岩波書店[文庫])
自分とは、他者とは、考え、考え続けること。今でもこの本の言葉が私の中で問い生き続けています。15年ほど前、世間にこの本が広く知られる前、大学生だった私が哲学の授業の初めに「この本を読んで感想文書いたら単位をあげます」と先生から言われて読んで、何度も読んで、単位とか関係なく感想文を書き、生涯大切に思える本に出会えました。(営業本部/仕入担当 yk)

78. 『A子さんの恋人 1』 近藤聡乃(KADOKAWA[コミック])
大人になりきれない面倒くさい人たちの割とどうでもいい話、のように見えて、実は読みすすめる程にそして何度も読み返すほどに心の奥にしみこんでくる、切なく温かく深い人間模様を描いたストーリー。シンプルなラインで描かれる独特な絵がセンチメンタルを誘います。(丸善 多摩センター/児童書担当 山本)

79. 『古代日本の官僚』 虎尾達哉(中央公論新社[新書])
古代の官僚=まじめに帝に仕える人々などということはまったくなく、多数の官僚は儀式をサボり、地方への出向も行きたくないからという断る始末。絵巻や書物などで伝えられてきた立派な官僚像を一気に突き崩す良書。怠慢官僚のエピソードに思わず人間ぽさを感じニヤッとしてしまいます。(ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店/文芸担当 Y・I)

80. 『センス入門』 松浦弥太郎(筑摩書房)
松浦さんのエッセイは、どれを読んでもブレていなく安心をする。センスはバランスの良さから磨かれる。日々の変化を受け止めることも大切、批判から逃げずに向き合うことも大切、つまずいた時、迷った時に、開いて原点回帰をしたくなる本。(戸田書店 長岡店/文芸担当 yukie.)

81. 『また、桜の国で』 須賀しのぶ(祥伝社[文庫])
1938年、ポーランド。その地とそこに生きる人々を愛した、若き「日本人」外交官の目を通し、やがて来る戦のむごさと、人間への希望を織り上げた、愛おしい物語。情よりも義に生きることは、気高くうつくしく、そしてかなしい。ティッシュ必備の人間讃歌。(ジュンク堂書店 池袋本店/文庫担当 武草伴人)

82. 『法医昆虫学捜査官』 川瀬七緒(講談社[文庫])
殺人事件の謎を解く鍵はウジ虫!?冒頭から死体のグロテスクな描写に「うっ……」となりますが、それを乗り越えると法医昆虫学の世界に誘われます。声なきものの声を聞く赤堀の、虫に対する知識の深さと愛情がとても魅力的です。(丸善 天文館店/コミック担当 Y・S)

83. 『細野晴臣と彼らの時代』 門間雄介(文藝春秋)
細野晴臣さんに関する書籍は過去にも数多く発売されていますが、数多くの資料に当たりながら、新たな細野さんを見せてくれる、信頼できて読み応えのある一冊。(MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店/芸術担当 Y・T)

84. 『朽ちていった命』 NHK「東海村臨界事故」取材班(新潮社[文庫])
青い光ーチェレンコフ光ーを目撃してしまった臨界事故の犠牲者たち。朽ちていく彼らを救おうと、前進も後退も出来ず苦悩しながらも必死に闘い続ける医療チーム。人知の及ばぬ放射線の恐ろしさ。小さな、薄い本。でも、忘れられない本。(丸善 天文館店/文庫担当 モニョンコ)

85. 『ふくろうくん』 アーノルド ローベル(文化出版局)
ふくろうくんの日常が5つのエピソードで描かれています。「こんもりおやま」は本当におかしくて、それ自分の足!と思わず突っ込みを入れたくなるほど。「おつきさま」はユーモラスながら、ほのぼのと心が癒やされていきます。ローベルの知的でセンスの良い語り口と素敵な絵は何度読んでも楽しくて、優しい気持ちにさせてくれる1冊です。(ジュンク堂書店 広島駅前店/文庫新書担当 黒猫ジジ)

86. 『おうち性教育はじめます』 フクチマミ/村瀬幸浩(KADOKAWA)
おうち性教育=子どもを守るための教育です。自らが学校で詳しく「性教育」を教えてもらってないまま、今の学校ではさらに教える範囲が狭くなっています。子どもが性の対象になった事件を伝えるニュースが増えているこの時代に親子で考えていかないといけません。(ジュンク堂書店 松山店/雑誌担当 K・M)

87. 『活版印刷三日月堂 1』 ほしおさなえ(ポプラ社[文庫])
このシリーズは様々な年代の人々の次へのステップが描かれている。彼らの悩みも苦しみも悲しみも、まるで我がことのように感じられるから、彼らに掛けられた言葉の全てが自分へのエールのように思えてくる。何度でも読み返したい、私にとってはお守りのような物語。(ジュンク堂書店 三宮駅前店/児童書担当 I・I)

88. 『さよなら私』 みうらじゅん(KADOKAWA[文庫])
自分探し?はっ?そもそも自分なんてないんです。なので、悩んでばかりいても仕方ないのです。コロナ禍にぜひ読んでいただきたい1冊。サブカルの元祖、みうらじゅんさんの1冊。(戸田書店 藤枝東店/文芸担当 ケンチロ)

89. 『今日の人生 1』 益田ミリ(ミシマ社)
毎日何の変化もない日常でも、ミリさんのほんわかするエピソードを読むと、そんな日々も悪くないかもと感じられる、心が落ち着く1冊です。(ジュンク堂書店 松山店/芸術担当 K)

90. 『姑獲鳥の夏』 京極夏彦(講談社[文庫])
分厚さで一瞬敬遠してしまうが、厚みの原因の一つは登場人物一人、京極堂の知識量にある。内容は、二十か月間も身籠り続けている妊婦の噂話から次々と事件は複雑な方向へ。全貌がわかる頃には、作中これでもかと披露されてきた京極堂の蘊蓄と場面がリンクし、爽快感で無意識にページを捲るスピードが上がってしまう。(ジュンク堂書店 広島駅前店/雑誌担当 Y.I)

91. 『図書館の魔女 第1巻』 高田大介(講談社[文庫])
中世アジアに似た世界。とある少年が”魔女”に仕えるよう任命されるところから物語は始まります…。流行りの異世界モノと違い、魔法は出てきません。しかし緻密に構成された世界観、魅力あふれる登場人物、これぞまさに大河ファンタジー!物語の根幹に関わる設定により映像化は困難と思われるので、この世界を覗きたければ読むしかない!(丸善 京都本店/語学担当 H.Y)”

92. 『午後の恐竜 改版』 星新一(新潮社[文庫])
表題の『午後の恐竜』は星新一でただただ泣けた。いつの時代に読んでも色褪せない「はっ!」と気づかされる作品の数々。古びない魅力が詰まった短編集。(丸善 名古屋本店/文庫担当 ひま(わ)り)

93. 『イノセント・デイズ』 早見和真(新潮社[文庫])
これほどひきずり、冷静になれず、何度も自問自答を繰り返した作品はない。心のなかに住みついてしまった。イノセントとは純潔な、無垢なという意味。田中幸乃は生まれて初めてあの瞬間意志を示した。私はなんとか自分の答えを見つけ出そうとしている。(ジュンク堂書店 滋賀草津店/社会担当 書店員マリ)

94. 『テロルの決算 新装版』 沢木耕太郎(文藝春秋[文庫])
一瞬の交わりは人々に鮮烈な光景を見せつけ、大きな波紋を呼んだ。どんなに人々を驚かせた事件も記憶から薄れていってしまう。今こそノンフィクションを読もう。心が震える瞬間を必ず味わえるはずだ。(ジュンク堂書店 三宮駅前店/店長 U)

95. 『琥珀の夏』 辻村深月(文藝春秋)
この主人公は私ではないか、と思うくらい入り込んで読んでいた。カルト集団と子ども、ワーキングマザーの葛藤、感情を揺さぶられながらもぐんぐん読み進めた。子どもたちとの今を大切にしようと思わせてくれる作品。(ジュンク堂書店 松山店/雑誌担当 N・F)

96. 『ブラック・チェンバー・ミュージック』 阿部和重(毎日新聞出版)
落ちぶれた映画監督横口健二と北から来た謎の美女はミッションをクリアできるのか!? ヤクザ、古本屋店主、クセの強いバイプレイヤーも参戦して繰りひろげるノンストップエンタメ純愛ドラマです。韓流ドラマに負けない面白さです。(ジュンク堂書店 三宮店/文芸担当 SH)

97. 『こんなとき私はどうしてきたか』 中井久夫(医学書院)
精神科医として。工夫し、行動し、自戒して組織を率い患者を診る。医療だけでなく人と関わる仕事をする人全てに薦めたい本です。碩学の文章家として知られる著者のアドバイスは美しく、ユーモアもあります。(丸善 博多店/書籍担当 K.T)

98. 『さいごの色街 飛田』 井上理津子(新潮社[文庫])
今も残る「色街」飛田で、井上理津子が10年以上に亘ってねばり強く取材を続けた貴重な記録。居酒屋から「料亭」、取り締まる警察や組事務所にも果敢に赴く。売春を「良し」とするわけではないが、「飛田」が、釜ヶ崎の路上生活者同様、何かから逃れてきた人びとが一所懸命暮らしている街であることは大切にすべきと、井上はいう。(ジュンク堂書店 難波店/店長 (フ))

99. 『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』 桜木紫乃(KADOKAWA)
どうしてこんなに胸をうつ言葉が詰まっているのか、桜木紫乃さんの書く「人生」には、とにかくどうしてもグッときてしまう何かがあります。人間明日がどうなるかわからないのは昔も今も同じ。困難な時代を笑いながら生きていくために、今一番読んで欲しい1冊。(ジュンク堂書店 大阪本店/文芸担当 A.S)

100. 『ハルさん』 藤野恵美(東京創元社[文庫])
大事な人を亡くした父娘の謎解きをからめた成長物語です。不器用ながらも家事・育児に奮闘するハルさん。そんな彼に寄り添う亡き妻瑠璃子さんの幽霊(?)二人の愛娘ふうちゃんの結婚式では涙涙でした。さらにあとがきで藤野さんがこの話を書いた理由にまた涙。隅から隅まで愛に溢れた1冊です。(丸善 京都本店/文具担当 S.T)