これまでの学問的基礎内容の充実に加え、学校給食や福祉施設給食、配食サービス、食品企業での衛生管理の実際も見えるよう加筆して改訂。フルカラーでわかりやすい。栄養士実力認定試験、管理栄養士国家試験ガイドライン、日本栄養改善学会提案のモデルコアカリキュラム準拠。
【重版修正にて,2018(平成30)年6 月公布の法改正による条番号などの変更については,公布日より1 年以内,2 年以内,3 年以内の施行により条番号が異なってくるため,本文では3 年以内施行となる最終の形となるよう変更した.】
第3版刊行後,5年が経過し,この間,食の安全性の問題としては,東日本大震災における原子力発電所の原子炉の破壊で大量に放出された放射線物質による農畜水産物の汚染,ヒラメ,馬肉摂取による新たな寄生虫による食中毒の発生,生食用牛肉・レバー摂取による腸管出血性大腸菌による集団食中毒の発生,大手食品企業の廃棄食品の処理業者による横流し事件など,食の安全・安心を揺るがす問題が起こった.
また,食の安全性確保に向けて,農畜水産物の汚染問題に対応して「食品中の放射性物質に係る基準」の設定,生食用牛肉・レバー摂取による食中毒に対応して「牛の生食用食肉の規格基準」と「表示基準」が設定,ヒラメ・馬肉摂取による寄生虫食中毒に対応して,これらの寄生虫が新たに食中毒の病因物質として指定された.さらに2015年6月には,食品を摂取する際の安全性および一般消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会を確保するため,食品衛生法,JAS 法,健康増進法の食品の表示に関する規定を統合して食品の表示に関する包括的かつ一元的な制度として「食品表示法」が制定された.
一方,2015年2月には管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)が改定され,2015年9月には管理栄養士養成課程におけるモデルコアカリキュラムが提案された.第4版では,上述のような食の安全性の問題や食品保健行政の変化に対応するために,また,管理栄養士国家試験出題基準に含まれる項目を網羅するために,
食品衛生に関連する最新の知見や動向も盛り込みながら,随所に加筆修正を行った.したがって,第4版は,栄養学分野だけでなく,食の安全性を取り扱う多くの分野における教科書あるいは参考書として活用していただける,より充実した内容になった.また,食品衛生に興味をもつ一般消費者や食品製造に携わる方々
にとっても,より理解しやすい参考書としてご利用いただけるものと考える.(まえがきより)