{"product_id":"9784540191749","title":"稲作診断と増収技術","description":"増産時代をリードした松島省三の「V字理論稲作」\u003cbr\u003e西尾敏彦（抜粋）\u003cbr\u003e■増産時代をリードした\u003cbr\u003e　昭和30年代といえば、農家も技術者も増産に燃えていた時代である。なかでも烈しく燃えたのが、当時農林省の農業技術研究所（埼玉県鴻巣市）にあった松島の研究室だった。\u003cbr\u003e　多収を追求する松島の稲作研究は、収量を構成要素別に追求することからはじまった。稲の収量は＜面積当たりの籾数×登熟歩合＞で決まる。多収を得るには生育中の稲に面積当たり十分な数の籾を確保し、次に確保された籾の登熟歩合を高めてやればよい。\u003cbr\u003e　まず籾数の確保だが、短稈穂数型品種を密植し、チッソ肥料を十分施せば比較的容易にできる。問題は登熟歩合を高める方法だ。籾数を増やそうとチッソをやれば、登熟が悪くなってしまう。どうすればこの逆相関を断ち切ることができるか。そこでチッソの施用時期をさまざまに変え、登熟との関係を調べてみた。松島は自らの仕事ぶりを、次のように述べている。\u003cbr\u003e　だいたい私の試験は、事実こそ出発点だという考えでやるのです。事実こそ出発点。たくさん文献を読んで、その文献で仕事をするのではなくて、田圃でムチャクチャに試験をやるわけです。それで事実をつかむ。それがゆるぎない事実であるかどうかということを確かめて確かめたら、その理由は何かと入っていくのが私のやり方です。\u003cbr\u003e　実は私も、当時鴻巣の試験場にいて松島の仕事ぶりをみている。今でも彼が麦わら帽子にゴム草履姿で、終日試験圃場に立ちつくしていた姿を思い浮かべることができる。\u003cbr\u003e　ムチャクチャに試験を重ねた結果、松島の得た結論はこうだった。出穂前33日ころ、稲の体内チッソを切ってやればよい。そうすれば逆相関を断ち、籾数を確保しながら登熟歩合を上げ、増収することができる。この時期、稲体のチッソが多いことが登熟を悪くする原因だったのである。\u003cbr\u003e　松島はこの発見を核にして、多収技術「V字理論稲作」を発表した。登熟歩合がチッソの施用時期とともにＶ字型に変化することからきた通称だが、彼自身は自信をこめて「理想稲稲作」と称していた。\u003cbr\u003e■いつでも、どこでも、だれでも、できる技術\u003cbr\u003e　松島は信念の人だった。少しでも彼の説に異論を唱える研究者には真向から論争を挑み、一歩も退かない。相手が大先輩であろうとなかろうと、学問に関してはまったく妥協を知らない人だった。だが反面、農家の水田で自らの理論を実践してみせる実践派でもあった。\u003cbr\u003e　だから農家との交流も多い。突然届いた見ず知らずの農家の相談に、微熱の身体で長文の返事を書いたこともある。長野県の伊那農協には13年間にわたり、毎年指導に訪れている。おかげで同農協傘下の南箕輪村・伊那市では、単収が全国1、2位に跳ね上がったという。\u003cbr\u003e　彼が創作した「収量簡易速決診断器」は、当初普及所や農業高校などに広く利用されたものである。この器具を用いると、自らの稲の収量を構成要素別に解析することができる。当然、どの構成要素が必要条件を満たしていないかがわかる。そこを改善すれば、より高収をねらうことができるというわけである。\u003cbr\u003e　","brand":"農山漁村文化協会","offers":[{"title":"Default Title","offer_id":48468272578864,"sku":"","price":2530.0,"currency_code":"JPY","in_stock":true}],"url":"https:\/\/www.maruzenjunkudo.co.jp\/products\/9784540191749","provider":"丸善ジュンク堂書店ネットストア","version":"1.0","type":"link"}