{"product_id":"9784780612738","title":"数学の養樹園","description":"「養樹園」というタイトルは，パウル・クレーの同名の絵にちなんだものである．その絵には苗木のようなたくさんの図柄が縦横に並べられていて，見事な色彩の横帯に綴られ，成長の息吹が伝わってくる．\u003cbr\u003e　高校や大学での数学においては，数々の公式や理論を完成品として学ぶことが多いものだが，実は数学のどの分野であれ，樹木のように年々成長し続けており，大樹で近寄りがたいと見えていても視点を変えれば幹からさらに若い枝が伸びようとしているものもあるし，落とした実から新たな緑が芽ぐむこともある．\u003cbr\u003e　本書を執筆したもともとの動機は，線形代数学や微積分学を一通り学んだのち，数学や情報科学のより進んだ題材に触れる際の橋渡しになるようなテキストを作りたい，という願望であった．さてその願望をどう実現するか，と思いを馳せていた頃，クレーの絵に出会い，方向を確信した．それは読者が\u003cbr\u003e\u003cbr\u003eすでに得た知識を別の視点から捉え直す\u003cbr\u003e生まれて間もない新たな理論の息吹に触れて自らその成長を促す\u003cbr\u003e\u003cbr\u003eという経験ができるようなものであろう，と．本書の題材はこうして選ばれた．\u003cbr\u003e　前半は，数列，級数といった高校や大学で学ぶ見慣れた題材の理解を，離散数学という視点を通してさらに深めることを目標とする．また，後半は「リズム」という一見数学的発想に馴染まないと思われる題材を，有限力学系という観点から統一的に解明する道を開拓して行く．そこでは「連続」の世界を分析するための標準的な手法を踏まえつつ，「離散」の世界に特有の困難，そしてそれゆえの魅力を，リズムの分析を通して伝える，というのが主題である．ここではグラフ理論の基本的な部分を活用することになるが，最終の「三段論法」の章では，さらにグラフを活用して，アリストテレス以来の伝統的な論理学を見直す視点を提示する．\u003cbr\u003e　各章の構成は以下のようになっている．第１章「母関数」は，数列に対して簡単なルールで，母関数と呼ばれる対象を対応させることで，数々の公式や定理を自然に自ら導くことができるようになる，という章である．第２章は「離散解析」と名付けたが，「テイラー展開」の離散版に当たる理論を紹介する．これはニュートンやライプニッツが微積分学を生み出すきっかけとなったものでもあり，高校で学ぶ「2 乗の和」や「3 乗の和」の公式も含めて導き出す力を持っている．第３章「リズムの数学」と第４章「グラフと三段論法」は筆者の近年の研究成果を題材としたものだが，リズムや三段論法という一見数学の研究対象になるとは思えない事柄が，どちらもグラフを用いて可視化され，その形状から新たな観点に導かれていく有様を描いた．\u003cbr\u003e　本書を読み進める際の予備知識はほとんど仮定しない．ただ「総和の記号Σ」の意味と使いかたには慣れておいてほしいが，何より記述の流れを「なぜそう言えるのか」と論理的に自ら考え納得する力を期待したいし，また読み進めるうちにその力がさらに成長するように構成したつもりである．読者が有限の世界の数学の魅力に一瞬でも感じ入っていただければ幸いである．","brand":"学術図書出版社","offers":[{"title":"Default Title","offer_id":48593099620656,"sku":"","price":2420.0,"currency_code":"JPY","in_stock":true}],"url":"https:\/\/www.maruzenjunkudo.co.jp\/products\/9784780612738","provider":"丸善ジュンク堂書店ネットストア","version":"1.0","type":"link"}