{"product_id":"9784798504131","title":"作品と作者を切り離すことは可能か？","description":"\u003cp\u003e作品には、ほんとうに罪はないのか？　フランス気鋭の社会学者ジゼル・サピロが、従来自明のものとして取り扱われてきた〈作品〉と〈作者〉の織り成す関係について、数多くの事例をもとに論じる。いわゆる〈キャンセル・カルチャー〉は正当なのか、また逆に「作品に罪はない」という言葉はあまりに軽々しく発せられてはいないだろうか。文学者のみならず哲学者・映画監督・俳優・歌手・芸術家などの事例を取り上げつつ、本書が繰り広げる多角的な観察と分析は他に類を見ない。\u003c\/p\u003e\u003cp\u003e2020年に本書が上梓されたことには、2017年に映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる性的虐待の告発が行われ、世界的な社会問題として表面化しはじめた＃MeToo運動の影響が大きいものと思われる。本書で取り扱われるのは、作者が行った反ユダヤ的言動であり、女性や未成年者に対する性的・身体的虐待であり、ユーゴスラヴィア紛争に関する政治的言動である。そして議論の対象となっているのは、日本でもよく知られている人物もいるし、紹介されたことがほとんどない、あるいはその一面のみが伝えられているに過ぎない人物も多い。\u003c\/p\u003e\u003cp\u003eロラン・バルトが〈作者の死〉を謳ってからすでに60年近くが経過したが、我々日本の文学研究者たちは、自らの研究において、大なり小なり作者の人生や思想、つまりはいわゆる〈人となり〉を前提としていることが少なくない。しかしそのことが取り立てて意識されることはあまりなく、いわば暗黙の了解のようなものとして成り立ってしまっている。そして日本においては「文学研究」という学問領域そのものが縮小再生産のサイクルに入りつつあり、その研究手法について問う余裕も失われようとしている。そんな状況の中、作品の受容と「作者の人生」のかかわり方を可視化するという意味で、本書のアプローチはきわめて有効であると言っていいだろう。\u003c\/p\u003e\u003cp\u003e現代社会においては、フランスのみならず日本においても排外主義やマイノリティに対する不寛容が台頭している。作者の言動によってその作品そのものが否定される〈キャンセル・カルチャー〉、およびその反動である〈バックラッシュ〉の問題は、現代人が日々直面するきわめてアクチュアルな事象である。文学研究者に限らず、幅広い分野の関係者の興味を惹くだろう。\u003c\/p\u003e","brand":"九州大学出版会","offers":[{"title":"Default Title","offer_id":68018323915056,"sku":null,"price":5940.0,"currency_code":"JPY","in_stock":true}],"url":"https:\/\/www.maruzenjunkudo.co.jp\/products\/9784798504131","provider":"丸善ジュンク堂書店ネットストア","version":"1.0","type":"link"}