{"product_id":"9784862611659","title":"桜花を夢見て","description":"満州はこれから発展する。\u003cbr\u003eそう信じて、スミ子と家族は海の向こうへわたった。\u003cbr\u003e昭和のはじめ、異国の地ですごした少女時代の記憶。\u003cbr\u003e\u003cbr\u003e昭和2年、警察官となった父について、鹿児島から満州に渡った少女・スミ子の物語。\u003cbr\u003e2歳から過ごした満州の地で、スミ子はたくさんのことを経験した。\u003cbr\u003e多国籍な街での暮らし、柳条湖事件で近づいた戦争の足音、日本人学校での日常、親元を離れての寮生活、ひとり旅であじわった恐怖、紀元2600年の祝賀式での大役、迫撃砲をうけた父の負傷、そして、社会人に……。\u003cbr\u003e「これから発展する」といわれていた時代の満州で、多感な時期を過ごした少女の暮らしをていねいに描く。\u003cbr\u003e\u003cbr\u003e\u003cbr\u003e＊　　＊　　＊\u003cbr\u003e　ハルピンの生活で、スミ子は、新しい発見をしました。\u003cbr\u003e　ハルピンでは、あちこちで、音楽が流れています。小さな楽器を鳴らしているだけではなく、明るい色の服装をした青年や女の人が、歌ったり、おどったりしているのです。それは、毎日、あちこちで、見かけました。　\u003cbr\u003e　特別におどろいたことは、五、六人の少年たちがやってくると、そのうちのひとりが、ポケットからハーモニカを出し、とびはねたいようなかろやかな音楽を流します。すると、ほかの少年たちは、待っていましたと言わんばかりに、そろっておどりだします。それは、コサックダンスだそうです。\u003cbr\u003e　街の通りや広場で歌ったりおどったりするのは、南の遼陽では見かけませんでした。遼陽はハルピンより暖かく、明るい街ですけれど、ハルピンは、音楽のあふれる、にぎやかな街です。\u003cbr\u003e　スミ子のアパートは、ハルピンでもいちばん多くロシア人の住んでいる街でした。アパートの窓からは、ロシア人の店先などが見えました。\u003cbr\u003e　ロシア人は、黒パンを買いにきました。パン屋さんの店が、スミ子のアパートからよく見えました。\u003cbr\u003e「黒パンを食べたい」と、スミ子は、せがみました。\u003cbr\u003e　日曜日になると、大勢のロシア人が黒パンを買いにくるのです。ロシア人は、まとめ買いをしていました。\u003cbr\u003e「わたしたちも、日曜日には、黒パンを食べましょうか」\u003cbr\u003eと、お母さんが賛成してくれました。\u003cbr\u003e　黒パンは、焼き立ては、やわらかくてほのかにあまいパンでした。\u003cbr\u003e「黒パンには、カルパスだよ」\u003cbr\u003e　お父さんと、パンを買いにいくと、カルパスというソーセージも買いました。\u003cbr\u003e　カルパスには、ハチミツをつけて食べるのが、ロシア人のしきたりでしたので、吉田家でも、同じようにして食べました。\u003cbr\u003e　キタイスカヤ街の生活は、スミ子はとても気に入っていました。\u003cbr\u003e（「音楽のあふれる街」より）\u003cbr\u003e＊　　＊　　＊","brand":"テラインク","offers":[{"title":"Default Title","offer_id":48541112500528,"sku":"","price":1540.0,"currency_code":"JPY","in_stock":true}],"url":"https:\/\/www.maruzenjunkudo.co.jp\/products\/9784862611659","provider":"丸善ジュンク堂書店ネットストア","version":"1.0","type":"link"}