{"product_id":"9784865902037","title":"福知山市動物園 みわちゃんとウリ坊からの贈り物","description":"京都府福知山市の小さな動物園「福知山市動物園」――。\u003cbr\u003e朝の園内は、まだ人の波ができる前の、静かな時間でした。\u003cbr\u003e開園を待つ門の向こうに、ちらほらと家族連れの姿が見えます。\u003cbr\u003e園路には昨夜の露がうっすら残り、踏みしめると、砂利が小さくキュキュと鳴る。\u003cbr\u003e鳥舎から聞こえる羽音と、遠くで鳴くフラミンゴの声。\u003cbr\u003eその一つひとつが、今日も一日が始まることを知らせています。\u003cbr\u003e「ほな、行こか」\u003cbr\u003e柵越しに、私がそう声をかけると、子ザルのみわちゃんがこちらを振り向きました。\u003cbr\u003eその目は、ただ音に反応したというよりも、「何か始まるぞ！」と分かっているような表情でした。\u003cbr\u003e「散歩！」\u003cbr\u003eその言葉を発した瞬間、みわちゃんの体が弾みます。\u003cbr\u003eみわちゃんは、地面を蹴るように走り出し、迷いなくイノシシの子どものウリ坊のそばへ寄ったのです。そして、ひらりとウリ坊の背中に飛び乗ります。\u003cbr\u003eそれがあまりに自然で、何度も繰り返してきた動きのように見えます。\u003cbr\u003e二匹が出会ってまだ一週間ほどです。\u003cbr\u003eそれでも、ずっと前から一緒にいたような息の合った動きでした。\u003cbr\u003e午前中のただの散歩です。この二匹が、やがて町を越え、テレビや新聞に取り上げられ、日本中の人の心をあたためる存在になるとは――。\u003cbr\u003eその時は、まだ誰も知らなかったのです。\u003cbr\u003e「プロローグ」より","brand":"青志社","offers":[{"title":"Default Title","offer_id":66767031796016,"sku":null,"price":1870.0,"currency_code":"JPY","in_stock":true}],"url":"https:\/\/www.maruzenjunkudo.co.jp\/products\/9784865902037","provider":"丸善ジュンク堂書店ネットストア","version":"1.0","type":"link"}