{"product_id":"9784890634682","title":"レッドチーミング入門","description":"　ビジネスマン時代、「お前はクビだ！」の決め台詞で知られたトランプ氏は、大統領就任後もその姿勢を変えず、自らと対立する高官を次々と解任してきた。その矛先は米陸軍が設置した「レッドチーミング大学校」にも向き、予算削減によって閉鎖に追い込んでいる。この背景には、彼自身が批判的検証を行う「レッドチーミング」という意思決定メカニズムを嫌悪している事情がある。しかし、現場の米軍指導者たちは、権威者にとって耳の痛い異論こそが、戦闘での勝利に不可欠であることを熟知している。\u003cbr\u003e　歴史はその教訓を如実に物語る。かつての日本海軍は、精強な戦力を持ちながらも、戦略策定段階でレッドチーミング的な視点を排除したため、独善的な計画を修正できず壊滅的な敗北を喫した。対する米海軍も、真珠湾攻撃前には異論を無視し痛手を負ったが、その後は教訓を活かし、組織的に異論を取り入れることで日本海軍を打ち破ったのである。実戦を重ねた米軍は、この手法を意思決定プロセスに深く組み込んでおり、政権の方針に関わらず現場レベルでは維持され続けている。\u003cbr\u003e　現在、世界に目を向ければ、不安定化する国際情勢を受け、英軍やNATOはレッドチーミングを強化している。ビジネス界でも、ITやAIによる競争激化に伴い、企業の生死を分ける意思決定の精度を高めるため、軍事以上のスピードで導入が進んでいる。対照的に、日本の組織文化はいまだに権威への忖度や根回しが優先され、異質な視点を排斥しがちである。これが国際社会の変化に対応できず、政治・経済・軍事のあらゆる面で「ガラパゴス化」と停滞を招いている主因と言わざるを得ない。\u003cbr\u003e\u003cbr\u003e　組織が失敗する最大の要因は、情報不足ではなく「思い込み」である。レッドチーミングとは、カトリック教会の「悪魔の代弁者」にも通じる、組織的に異論を採り入れる技法だ。競争相手（敵）の視点を再現し、自社の弱点や見落としを可視化することで、認知バイアスの罠を回避できる。\u003cbr\u003e　この閉塞状況を打破するためには、日本のあらゆる組織と個人の意思決定に、このメカニズムを組み込む必要がある。忖度を捨て、「敵の目」で自らの前提を疑い、最善の意思決定を導く力を養うこと。賢い指導者として逆説を味方につけることこそが、不確実な時代を生き抜く道である。","brand":"並木書房","offers":[{"title":"Default Title","offer_id":50408781971760,"sku":null,"price":1980.0,"currency_code":"JPY","in_stock":true}],"url":"https:\/\/www.maruzenjunkudo.co.jp\/products\/9784890634682","provider":"丸善ジュンク堂書店ネットストア","version":"1.0","type":"link"}