丸善ジュンク堂書店は「書店員がいま一番売りたい本」フェアを2022年10月10日(月)~11月9日(水)の期間、全国の店舗で開催いたします。

本フェアは、丸善ジュンク堂書店の書店員が投票で選んだ「商売っ気ぬきに本音でおすすめしたい」50冊です。読書の秋にぴったりの「本が好きで好きでたまらない」書店員による究極のセレクトフェアをお楽しみください。

書店員がいま一番売りたい本

◇hontoポイント10倍キャンペーンも開催
2022年10月10日~11月9日の期間、「書店員がいま一番売りたい本」フェア対象書籍のhontoポイントが10倍になります(※シリーズもののポイント10倍対象は、1巻のみとなります)。お会計の際にhontoカードまたは「honto with」アプリカードをレジにてご提示下さい。
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◇「書店員がいま一番売りたい本」フェアのリスト
※印刷可能なPDF版(A3サイズ)はこちらからご覧いただけます。

『歩くひと 完全版』 谷口 ジロー(小学館)
言葉での説明は驚くほど少なく、精緻な景色や表情の切り取り方ですべてが表現されている。散歩をしているときに訪れる、あの、ふっと心が解き放たれる瞬間まで確かに描かれているのだ。考えてみれば日々の心の移ろいはこんなではなかったか。感触を思い出しては静かに満たされ、次の休日にはどこを歩こうかと考える。なんて楽しいんだろう。(丸善 京都本店 / 文芸担当 / Y・M)

『マンガでわかる!認知症の人が見ている世界』 遠藤 英俊 監修(文響社)
ただでさえイラっとするときがあるのに、認知症になった親に怒鳴らずにいられるのか…漠然とした不安がありました。でも認知症って全く分からないのではなく、こんな風に考えて行動してるんだと目から鱗でした。あんなこと言うんじゃなかったと少しでも後悔を減らせるよう読んでよかった1冊です。(ジュンク堂書店 天満橋店 / 人文担当 / JTN)

『センス入門』 松浦 弥太郎(筑摩書房)
松浦さんのエッセイは、どれを読んでもブレていなくて安心する。センスはバランスの良さから磨かれる。日々の変化を受け止めることも大切、批判から逃げずに向き合うことも大切。つまずいた時、迷った時に、開いて原点回帰をしたくなる本。(戸田書店 長岡店 / 文芸担当 / yukie.)

『自分の時間 1日24時間でどう生きるか 新装新版』 A.ベネット(三笠書房)
時間は誰にでも等しく、1日24時間与えられており、その中でいかに有効活用するのかという人生の普遍的テーマが1冊に凝縮されています。自分の人生を豊かにしたい人、人生に悩んでいる人には、是非とも手にしてほしい1冊です。人生の迷子になっている人も自分の時間の使い道、考えてみませんか?(MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 / 理工担当 / マリアンヌ)

『文体練習』 レーモン・クノー(朝日出版社)
ある日バスで見かけた他愛のない諍い。1つの取るに足らない日常の出来事が、詩や会話、手紙と99通りの文体でそれぞれ紡がれてゆく。ただの言葉あそびの世界かと思いきや、最後に現実に引き戻されて思わずクスリ。言葉を味わう秋の夜長にうってつけの1冊。(MARUZEN&ジュンク堂書店 札幌店 / 店長 / 鷹)

『奴隷の哲学者エピクテトス人生の授業 この生きづらい世の中で「よく生きる」ために』 荻野 弘之(ダイヤモンド社)
「生きづらさ」はあのヒトのせいでもこのコトのせいでもない。ましてやコロナなんて全く関係ない。自分も周りも幸せにできる秘訣が書かれています。「君ができること、まさにそのことに励めばよい。」自分の身となり骨となるまで何度も何度も読みたい。そう思わせてくれる1冊です。(ジュンク堂書店 松山店 / 人文担当 / まりかとぅん)

『真贋』 吉本 隆明(講談社)
偽もの、フェイクに惑わされない真実をとらえる術や、不安、混沌に立ち向かうより飛び越える「考え方」を説いた著書。吉本さんの穏やかな口調も感じられる1冊です。(ジュンク堂書店 大泉学園店 / 実用担当 / A・T)

『反論の技術 その意義と訓練方法』 香西 秀信(明治図書出版)
正しいから反論できないのではない。反論できないから「正しい」のである―。
何かとエビデンスを求め「はい、論破!」などと得意顔のあなたにおススメする目からウロコの指南書。正しい議論とは何か?教育書売場に置かれる隠れた名著に光を!(丸善 丸の内本店 / 人文担当 / NBY)

『翻訳教室』 柴田 元幸(朝日新聞出版)
他の言語を訳すことの難解さ、面白さがこの1冊に凝縮されている。大学の授業をまとめたものであるため、教授と生徒の熱のこもったやりとりが凄まじい臨場感で押し迫ってくる。これまで何気なく読んでいた本も字幕も、ここまで考え抜かれているのかと思うと、驚きを禁じ得ない。さあ今すぐ教室の席を確保しよう!(ジュンク堂書店 難波店 / 人文担当 / 大和駆)

『バッタを倒しにアフリカへ』 前野 ウルド 浩太郎(光文社)
国境も海も種族も超え、勇者ウルドは「バッタに食べられる」という子供の頃からの夢を叶えられたのか? バッタへの“好き”が高じ、今も蝗害と闘うアフリカはモーリタニアへと単身乗り込んだ著者の、愛と勇気の大冒険譚。あるいは、濃厚なバッタへのラブレター。「心がぴょんぴょん」すること請け合い。(ジュンク堂書店 立川髙島屋店 / 店長 / M)

『本屋図鑑 だから書店員はやめられない!』 いまがわ ゆい(廣済堂出版)
共感の嵐!もっと早くこんな本と出会いたかった!
現役書店員納得のボリューミーな本屋の知識、本屋あるあるの数々……。本屋で働きたい方は必携、いつも書店に来てくださるお客様にとっても発見がある1冊であること間違いなし。コミックエッセイなのでサクサク読めちゃいます。(ジュンク堂書店 広島駅前店 / 実用担当 / R.N.)

『るきさん』 高野 文子(筑摩書房)
舞台は平成のはじまり。レジで現金しか使えなくても(お肉を衝動買いして、明日のお米を買えないピンチ)、スマートフォンがなくても(固定電話のコードに制限される、おしゃべりしながらの行動範囲)、るきさんは毎日とっても楽しそう!どんなことがあっても自分の心地を大切に。令和のるきさんに、なりたい!(丸善 髙島屋大阪店 / 社会書担当 / K)

『二番目の悪者』 林 木林 作(小さい書房)
欲のために他人を陥れるもの、無自覚のまま手を貸してしまう傍観者。2014年に発売されたこの作品が、今も私たちに問いかける、本当の罪とは…。絵本の中で終わらせてはならない。現実を生きる私たちが、自分のこととして考えるべき「大切なこと」がここにある。(ジュンク堂書店 広島駅前店 / 話題書担当 / みうら)

『飯テロ! もみじ真魚フードイラスト集』 もみじ 真魚(PARCO出版)
ページをめくると飛び込んでくる煌びやかな卵かけご飯、艷やかでスープのとろみまで再現されたラーメン、やわらかさとジューシーさが伝わってくる肉料理、宝石のようにキラキラ輝くいくら、今にもジュースが零れ落ちそうなフルーツ等々、見るだけで口内に唾液が溢れ、お腹が空いてくる至高のイラスト集……ヤバいですね。(丸善 丸の内本店 / ビジネス書担当 / はらペコ)

『わたしのげぼく』 上野 そら 作(アルファポリス)
ペットとの別れを経験したことのある人ならほとんどの人が「この子はうちに来て幸せだったのかな」と考えたことがあると思います。きっと文句を言いたいこともあったはず。そんな飼い主さんたちに「わたし」がペットの気持ちを教えてくれます。(ジュンク堂書店 鹿児島店 / 学参・児童書担当 / MK)

『ハーモニー 新版』 伊藤 計劃(早川書房)
21世紀後半を舞台にした近未来SF。戦争と未知のウイルスが蔓延した「大災禍」を経て、人類は個人の生体データを社会が管理する大規模な福祉厚生社会を築く。医療技術が発達し病気の心配もなくなりますが、生活習慣も管理され窮屈な世界。技術の進歩と共に、個人とは何か、生きるということは何かを考えさせられます。(ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店 / 学参担当 / M.Y)

『犬にウケる飼い方』 鹿野 正顕(ワニブックス)
4才マルチーズのウチのコ、喜んだらいいなと思って読んだらビックリ!4年前に仕入れた情報が古くなっていました。シッポを振っているから喜んでいるとは限らない、科学的に裏付けされた1冊。犬とつきあいがある人にはぜひ読んでほしい。きっと知識がアップデートされます。(ジュンク堂書店 橿原店 / 文庫・新書・文芸・人文担当 / Y)

『世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑』 金井 真紀 文と絵(筑摩書房)
フムフム。
あらためてフムフムってなんだろう。辞書には”理解や納得の意を表す軽い表現”と。
たしかにそうだ。フムフム。でもフムフムで満ちた世界ってなんだ?
達人のインタビューを集めた本?
なるほど!この本は私たちがインタビューの達人になってフムフムするための本なのか。
フムフム。(ジュンク堂書店 鹿児島店 / 文庫担当 / となりのななしさん)

『水中考古学 地球最後のフロンティア 海に眠る遺跡が塗り替える世界と日本の歴史』 佐々木 ランディ(エクスナレッジ)
海に囲まれている日本で、何故かあまり調査されてこなかった分野について詳しく解説されています。
初めて水中考古学に触れる方から知識のある方まで広く楽しめる1冊です。
今秋クラウドファンディングで高校生が初めて丹後の海を調査します。著者の佐々木さんはチームを率いていらっしゃいます。(ジュンク堂書店 大阪本店 / 文具担当 / 衣)

『JK、インドで常識ぶっ壊される』 熊谷 はるか(河出書房新社)
突然、インドで暮らすことになったJK。カレーだけじゃないインドの豊かな文化、面白い人々、スラムの少年・少女との出会い。インドの今を女子高生の視点で綴った滞在記。ぜひ本書を読んで、驚き、悩み、成長し、常識をぶっ壊されてみませんか?海外旅行に行きづらい今だからこそ読んでほしい一冊です。(丸善 松本店 / 実用担当 / H.M.)

『女の子がいる場所は』 やまじ えびね(KADOKAWA)
国も文化も違う4人の少女たちの物語。誰もが自分の道を阻まれず、夢を奪われず生きていける世界に。批判だけなら簡単、何も生まない。この作品は少女たちの素直さ、強さに励まされ、認め合える世界へとつなぐ勇気をもらえます。(丸善 八尾アリオ店 / 副店長 / S.O)

『コンビニ人間』 村田 沙耶香(文藝春秋)
控えめに言って最高の小説です。普段小説はあまり読まないという人にもぜひともチャレンジしてもらいたい。薄くて、お値頃で、軽く手に取れるけれど、でもこの中には「小説」が詰まっています。「普通」が揺さぶられて現実が崩壊していく感覚や、読んだ後で世界の見え方が変わる感動をぜひとも味わって下さい。(ジュンク堂書店 三宮店 / 店長 / OH)

『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』 森下 典子(新潮社)
いい日が続くには、覚悟が必要とは禅の言葉。この本から「日々是好日」の意味を知った。晴れの日も雨の日も、その日はどちらも良い日。どんな状況でも、それを受け入れて、一瞬一瞬生きることの大切さ。季節を感じて生きていくことの大切さを知った。「好日」は自分で作るもの。読後、生き方の価値観が変わると思う。(戸田書店 長岡店 / 文芸担当 / yukie.)

『キリン解剖記 ジュニア版 キリンの首の骨が教えてくれたこと』 郡司 芽久(ナツメ社)
キリンが大好きという気持ちのままに、研究者になった著者が、キリンの首の骨の秘密の発見をするまでの面白い読物が、内容はそのままに、対談や写真が付いたお得なジュニア版になりました。
好きなことを追い続ける勇気も、ほっこりした気持ちも、動物の知識ももらえます。(大丈夫、気持ち悪い写真はありません。)(ジュンク堂書店 姫路店 / 人文担当 / Su)

『やけに植物に詳しい僕の街のスキマ植物図鑑』 瀬尾 一樹(大和書房)
道ばたの植物たちの魅力がいっぱい。何気なく見ている草だけど、名前は知らない…。そんな影の薄い植物たちをじっくり観察したくなる。たのしいうんちく話もたくさんあって、今まで見ていた世界がグーンと広がる本。オラももっと草が知りてぇ。(ジュンク堂書店 松山三越店 / 社会担当 / inu)

『わたしの美しい庭』 凪良 ゆう(ポプラ社)
人は弱さや脆さ、強さを全部持っている多面的な存在であるからこそ愛おしいのだと思わせてくれます。人にはその人の歴史があって、それは決して他人の理解が及ぶようなものではない。往々にして見えていない部分に価値は潜むもの。だからこそ私たちは他人を尊重しなければいけないのだと思わせる作品です。(丸善 丸の内本店 / 文庫担当 / S.F)

『その島のひとたちは、ひとの話をきかない 精神科医、「自殺希少地域」を行く』 森川 すいめい(青土社)
サブタイトルからは自殺防止本のような印象を受けますが「誰もが自分らしく、ラクに生きられる環境とは?」という、さらに広い問題へのヒントが得られます。自殺希少地域の工夫のエッセンスが抽出されています。時々「くすっ」と笑えてしまうエッセイ的文章なので、スルスルと読めちゃいます。(ジュンク堂書店 大泉学園店 / 人文書担当 / M)

『四畳半タイムマシンブルース』 森見 登美彦(KADOKAWA)
学生アパート下鴨幽水荘の自室209号室で「クーラーのお通夜」がとりおこなわれた。8月12日タイムマシンにのってやってきたのは誰なのか。クーラーのリモコンをめぐり、タイムマシンに乗って行ったりきたり。さて、世界はどうなってしまうのか。(ジュンク堂書店 鹿児島店 / 社会担当 / S.S)

『鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集』 鳥山 石燕(KADOKAWA)
古くから日本人の近くに居て暮らしている妖怪。
水木しげる先生も好きですが、江戸時代から人々の傍にいる妖怪たちという感じでこちらも大好きです。かばんに入るサイズですのでポケット図鑑としても使えます!(ジュンク堂書店 西宮店 / 文芸・文庫・新書担当 / まめぞう)

『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』 K.R.ゴドシー(河出書房新社)
思わず手にとってしまういいタイトル。
フェミニズムに関する書籍はどうしてもフェミニズムに関心がある人の手にしか届かないという書店員としてのもどかしさがあります。
このタイトルはそのあたり秀逸。手に取っちゃう。
中身を開くとあなたの知らない社会主義世界が開けてくる。(ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店 / 文芸・文庫担当 / Y.I)

『テロルの決算 新装版』 沢木 耕太郎(文藝春秋)
1960年に起こった政治家の暗殺事件を取り上げたノンフィクション。犯人と被害者の両方の生い立ちから事件発生までを細かく描き、なぜ事件が起こったのかを明らかにしていきます。
”今”だからこそ読んでおきたい一冊です。(丸善 松本店 / 文具担当 / Y.T)

『センス・オブ・ワンダー』 レイチェル・カーソン(新潮社)
エッセイでもあり、身の回りの自然へ目を向けるきっかけにもなる一冊です。『センス・オブ・ワンダー』つまり”不思議だなぁ”と感じる感覚を揺り起こしてくれます。文章を読んでもよし、写真を眺めてもよし。(ジュンク堂書店 松山三越店 / 医学書担当 / TK)

『ベルカ、吠えないのか?』 古川 日出男(文藝春秋)
「犬に感動する」小説は数多あろうとも、読者である私自身が「犬になった」小説はこれ以外ない。作中「イヌよ、イヌよ、お前たちはどこにいる?」と呼びかけられるたび、読者は登場する犬となり”20世紀=戦争の世紀”を駆け回ることになる。混迷を極める現代、生存するにはこの本を読んで犬の本能を取り入れるしかない。犬になれ。(MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店 / 人文書担当 / K.U)

『わたしの献立日記』 沢村 貞子(中央公論新社)
日々の暮らしの中のちょっとした工夫次第で気持ちに余裕ができたり、幸せに感じたり、生活が楽しくなります。毎日はできなくてもたまに実践してみるのもいいと思います。一日中台所に立ったり、一日中本を読んだり、一日中何もしなかったり。なにか好きな事だけをする日を見つけて下さい。(丸善 新宿京王店 / 文芸担当 / YS)

『大ピンチずかん』 鈴木 のりたけ(小学館)
裏返った傘に雨水をためながら歩いている子、みんなで後ろ向きに歩いて帰るランドセルチーム、そんな子たちを見かけてはいつも元気をもらってます。彼らに生活の知恵と勇気をあげたい!・・・いや、大人こそ、手にとってほしいかも。(ジュンク堂書店 立川髙島屋店 / 語学書 / らんらん)

『掬えば手には』 瀬尾 まいこ(講談社)
大学生の梨木匠はエスパーのように人の心が読めるという特殊能力を持っている。でもその能力は人の気持ちになって考えるということ、その人がどうしてほしいのか想像することであり誰もがやろうと思えばできること。たくさんの人がそれに気づいたら、こんな時代でも優しさに溢れた世界に変わるのに。(ジュンク堂書店 郡山店 / 文芸担当 / M.G)

『不連続殺人事件』 坂口 安吾(新潮社)
雑誌連載時に一緒に載っていた『読者への挑戦状』が収録されており、それも面白い。もちろん本編も面白い。会話のやり取りも今読んでも面白いのもすごい。すでに、様々語りつくされている作品ですが、この機会に是非、既読の方も、未読の方も。(ジュンク堂書店 広島駅前店 / 注文担当 / F)

『百年と一日』 柴崎 友香(筑摩書房)
読み終わるのが勿体無くて、少しずつ、大切にちびちび読むという読書家にとってこの上ない喜びをお求めならぜひこの短編小説を。一つ一つの話がそれぞれ、何を書いて何を書かないか、文体だけでなく構造的にも意識的に「トリミング」されていて、何気ない物語がいつしか自分だけの特別な物語になります。あ、これって人生。(ジュンク堂書店 三宮店 / 店長 / OH)

『本屋さんのダイアナ』 柚木 麻子(新潮社)
自分の人生に無くてはならない本はありますか?この本の登場人物達には、ある1冊の本が常に彼女たちの人生に寄り添ってくれています。本好きとしてそのことが羨ましく、「私にもそんな本あるかな」と真剣に考えると、まさしくこの本がそうかもしれない!と思いました。(丸善 セブンパーク天美店 / 文具担当 / S)

『他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学』 磯野 真穂(集英社)
相反する情報や意見が氾濫し、閉鎖的な空気の中、大きな何かにのみこまれ、自分と社会・他者との関わり方がわからなくなった時に出会った本です。現代の人間関係の大部分が依存するデータや既存の枠、そこに甘んじる怠惰の向こうに他者や自分を見つけたい、人や社会は変化することに希望を持ちたいと思いました。(ジュンク堂書店 広島駅前店 / 雑誌担当 / S)

『夢を売る百貨店 本日も完売御礼でございます』 イ ミイェ(文響社)
眠っているときにしか訪れることができないドルグード夢百貨店。その百貨店に就職したペニーの、夢を巡る不思議で優しい物語。枕元に置いて、少しずつ読み進めてもらいたいな。お布団のぬくぬくみたいな温かい気持ちになれそう。その夜はきっとすてきな夢が見られるはず!!(ジュンク堂書店 秋田店 / 文芸担当 / 735号)

『思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方』 D.マクレイニー(二見書房)
あなたの思考・意思・決断は本当にあなたのものだろうか。誰もが抱える呪いのような思い込みや誤解を痛快に叩きのめす、魑魅魍魎のインターネット社会において必携の一冊。(丸善 仙台アエル店 / コミック担当 / メッポさん)

『人間たちの話』 柞刈 湯葉(早川書房)
『横浜駅SF』でおなじみの著者によるSF短編集。表題作のどこかクールな、しかし温かい視点。宇宙のラーメン屋という突飛な設定を成立させる説得力。透明人間が実際いたら、という発想力。SFはちょっとねえ~、という方にこそおすすめ。(ジュンク堂書店 三宮店 / 文庫・新書担当 / sa)

『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』 宮田 珠己(大福書林)
旅エッセイなど、数多くの作品を刊行してきた宮田珠己氏による、奇妙奇天烈な冒険譚。
一風変わった内容もさることながら、鬼才・網代幸介氏によるイラストの見事さと、装丁の素晴らしさは、一見の価値ありと言える傑作。とにかく一度実際に手に取って、見て、感じてほしい1冊。(丸善 日本橋店 / 文芸担当 / K.I)

『ここに来るまで忘れてた。』 吉田 靖直(交通新聞社)
タモリ倶楽部で著者を見た。ヘンな人やな、気になってこの本を読んだ。
雑誌『散歩の達人』の連載本で街ごとの思い出話エッセイ。内容は全てしょーもなくてサイコー。たくさん笑った。唸る表現もあった。文章で笑わせられる人を尊敬する。
読み終えてから著者のバンド、トリプルファイヤーを聴いたら本と中身同じやった。(ジュンク堂書店 大阪本店 / 芸術担当 / ぷっぷのすけ)

『模倣犯 1』 宮部 みゆき(新潮社)
秋の夜長にぴったりの作品です。全5巻で長いと思うかもしれませんが、そこは稀代のストーリーテラーの宮部みゆき、驚きの展開の連続で、続きが気になってしまい、止め時を失うこと請け合いです。そして、最後の犯人との手に汗握る対決は、物語を読むことの楽しさを教えてくれます。(ジュンク堂書店 吉祥寺店 / 店長 / H.K)

『心は孤独な狩人』 C.マッカラーズ(新潮社)
アメリカ南部のゴシックな雰囲気に彩られた、なんだかよくわからないけど脳に残る本。アメリカではすでに「現代の古典」。だが日本では知名度はまだまだ。常に『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の隣にあるべき本。本の装丁そのものが世界名作文学全集みたいで格好良い!!(ジュンク堂書店 三宮店 / 社会担当 / P)

『らいちょうころころ 立山室堂のライチョウ親子』 戸塚 学 写真(文一総合出版)
愛おしくなる可愛さ。
立山室堂へ直接行って直にライチョウに出会えた人も、昨今の状況下、なかなか出かけられない人も、ほっこりと和める1冊です。
ライチョウにまつわる疑問にも答えてくれていて、いつか、ライチョウに会いに出掛けたくなるかもしれません。(ジュンク堂書店 西宮店 / 社会科学書担当 / M2)

『停電の夜に』 ジュンパ・ラヒリ(新潮社)
タイトルが綺麗で好ましいし、文字の流れもとても綺麗な、お気に入りの作品です。どの章も、登場人物の言葉や考え方がとても味わい深いです。9編の短編集なので読みやすく、ついつい1日だけで読んでしまいますが、たとえば夜ベッドに入る前に、何日かかけて、1章ずつゆっくり読むのも楽しいだろうなぁと思います。(ジュンク堂書店 三宮店 / 実用書担当 / H・K)

『さざなみのよる』 木皿 泉(河出書房新社)
さざなみです、波乱とか怒涛とかではなくて。
主人公ナスミは癌で亡くなった。これは喪失に違いないけれど、彼女が生きていたってことでもあって。彼女の死が周囲にさざなみを立て、彼女が生きていたってことが幸せなさざなみを立てる。そう、ゆっくりとさざなみが沁み渡ってくるのを、あなたにも感じて欲しいのです。(ジュンク堂書店 松坂屋高槻店 / 事務担当 / 朝)