【図解で学ぶ】地政学入門におすすめの本10冊を厳選!|ビジネス教養と“自分なりの視点”が身につく

2025-10-31

【図解で学ぶ】地政学入門におすすめの本10冊を厳選!|ビジネス教養と“自分なりの視点”が身につく

毎日ニュースやX(旧Twitter)で流れてくる話題を見ても、断片的な情報ばかりで“全体のつながり”が見えにくい――そんなもどかしさを感じたことはありませんか?
実は、それらの“点”のニュースを“線”で結び、世界の動きを俯瞰して理解するための強力なツールがあります。
それが「地政学」です。
この記事では、「地政学って一体何?」「なんだか難しそう」…そう感じるあなたのために、国際ニュースの裏側が驚くほどスッキリわかる【地政学入門書】を厳選してご紹介します。

  • なぜ今、地政学が「最強の教養」と呼ばれるのか?
  • 【失敗しない】あなたのための地政学入門書、3つの選び方
  • 【2025-2026年版】地政学のおすすめ本ランキング
  • 知識を武器に!地政学を「自分なりの視点」に変える3ステップ
  • まとめ:最初の1冊で、明日から見るニュースの色が変わる

なぜ今、地政学が「最強の教養」と呼ばれるのか?

「地政学」と聞くと、なんだか難解な学問のように感じるかもしれません。しかし、その本質は「場所(地理)」が「政治・経済(国際情勢)」にどう影響を与えるかを考えるーー世界の動きを読み解くための実践的なツールです。
たとえば、こんな疑問を持ったことはありませんか?

  • 「アメリカが金利を上げると、なぜ日本の円安が進むのか?」
  • 「遠い国の戦争が、なぜ近所のスーパーの物価高に繋がるのか?」
  • 「中国とアメリカの対立が、私たちのビジネスにどう影響するのか?」

個別のニュースを追うだけでは、こうした疑問の「本当の理由」は見えてきません。
地政学は、国の位置、資源、海へのアクセスなどの「地理的な条件」が、その国の行動や他国との関係(=国際情勢)をどう形づくるかを教えてくれます。
この視点を持つことで、今まで「点」でしかなかった円安、戦争、物価高といった出来事が、「アメリカは海を隔てた大国だから」「日本は資源を輸入に頼っているから」といった地理的背景と結びつき、「線」としてつながってきます。
ビジネスパーソンにとって、この「背景を読み解く力」は、予測不能な時代を生き抜くための最強の教養と言えるでしょう。

【失敗しない】あなたのための地政学入門書、3つの選び方

地政学の重要性はわかったけれど、「どの本から読めばいいかわからない」という方も多いはず。特に専門用語が多い分野だからこそ、最初の1冊で挫折しないための「選び方」が重要です。
ここでは、地政学初心者の方が「難しそう‥」を「面白い!」に変えるための3つのポイントをご紹介します。

1. 「図解」や「マンガ」で全体像を掴む

いきなり文字ばかりの専門書に挑むと、複雑な国際関係や歴史的背景に圧倒されがちです。まずは、地図やイラストが豊富な「図解タイプ」や、ストーリーで学べる「マンガ形式」の入門書から始めましょう。ビジュアルで直感的に理解することで、主要な地域の特徴や地政学の考え方をスムーズに吸収できます。

2. 「今」のニュースに直結するテーマを選ぶ

地政学は、「過去を知る学問」ではなく「今を読み解くツール」です。たとえば、自分が普段気になっているニュース(例:円安、米中関係、戦争やエネルギー問題など)を切り口にしている本を選んでみましょう。「あのニュースの裏にはこんな地理的要因があったのか!」という発見があると、理解もモチベーションも一気に高まります。

3. 読みやすさと情報量のバランスを見る

入門書といっても、内容や語り口はさまざまです。パラパラとめくってみて、「です・ます調」でやさしく語りかけているか、1トピックが短くまとまっているかなどをチェックしましょう。ただし、あまりに簡略化されすぎると本質が見えなくなります。「わかりやすさ」と「学びの深さ」のバランスが取れた1冊こそ、長く使える地政学の入門書です。

【2025-2026年版】地政学のおすすめ本ランキング

お待たせしました。ここからは、丸善ジュンク堂書店が厳選する、地政学のおすすめ本を「入門編」「実践編」「テーマ別編」の3つのレベルに分けてご紹介します。あなたの「知りたい」に応える1冊が必ず見つかるはずです。

【超入門編】マンガや図解で学ぶ「最初の3冊」

「活字が苦手」「まずは全体像をざっくり知りたい」という方に最適の3冊です。地図やイラストの力で、“地政学って面白い!”と感じられる最初の一歩を踏み出しましょう。

13歳からの地政学

    田中孝幸

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東洋経済新報社

¥1,650

地政学という言葉を初めて聞く方や、学生時代に地理が苦手だったという方に、まず手に取ってほしい1冊です。「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」のリベラルアーツ部門賞を受賞し、その分かりやすさと人気の高さが評価されています。
タイトルの印象から子ども向けと思われがちですが、内容は大人にも刺激的。「国のカタチ」や「地理的条件」が国際関係にどう影響するのかを、やさしい言葉で丁寧に解説しています。
この本で、地政学の第一歩を踏み出してみましょう。

まんがでわかる 13歳からの地政学

    田中 孝幸

 / 

    松浦 まどか

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    星井 博文

 / 

東洋経済新報社

¥1,430

先ほどご紹介した「13歳からの地政学」を、さらに読みやすくマンガ化した作品です。ストーリー仕立てで展開するため、活字だけではつかみにくい各国の事情や歴史的背景が、スッと頭に入ります。「本を読む時間がない」「とにかく楽しく学びたい」という方に最適。マンガの力で、地政学の核心を直感的に理解できます。
まずはこのマンガで地政学の面白さに触れてみましょう。

地図でスッと頭に入る地政学

    鈴木達人

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昭文社

¥1,760

地図出版社として知られる昭文社が手がけた、ビジュアル重視の地政学入門書です。
地政学は「地理」が「政治」にどう影響するかを考える学問ですから、地図の分かりやすさは欠かせません。豊富な図説と地図を見比べながら読み進めることで、「なぜロシアはウクライナに侵攻したのか」「なぜアメリカは最強の国であり続けるのか」といった疑問が、地図上でクリアに理解できます。
地図を眺めるのが好きな方、ビジュアルで学びたい方へ、特におすすめです。

【実践編】今のニュースが立体的にわかる「次の4冊」

入門編で全体像を掴んだら、次はいよいよ「今」の国際情勢に踏み込みましょう。複雑なニュースの裏側が立体的に見えてくる、実践的な4冊です。

あの国の本当の思惑を見抜く 地政学

    社會部部長

 / 

サンマーク出版

¥1,980

YouTubeで累計4000万回以上再生されている、大人気の歴史・地政学解説チャンネル「社會部部長」が書籍化。本書の魅力は、なんといってもそのわかりやすさと面白さです。複雑な国際情勢や各国の歴史的背景を、まるで物語を聞くように理解でる構成。YouTubeチャンネルのファンはもちろん、ニュースの背景を手っ取り早くつかみたいビジネスパーソンにもおすすめです。

地政学が最強の教養である

    田村耕太郎

 / 

SBクリエイティブ

¥2,090

タイトルの通り、地政学を「ビジネスエリートのための必須教養」と位置づけ、その重要性を説く1冊です。単なる知識の解説に留まらず、地政学的思考をビジネス現場でどう活かすか、という実践的視点で書かれています。グローバルに活躍したい方や、世界を俯瞰して意思決定したい方にとって、「最強の教養」を身につけるきっかけとなるでしょう。

地政学入門

    佐藤 優

 / 

KADOKAWA

¥1,056

元外交官であり、インテリジェンス(情報活動)の専門家として知られる佐藤優氏による実践的な地政学入門書。外交の最前線にいた著者だからこそ描ける、リアルな国家間の駆け引きや、ニュースの裏に隠れた意図が、具体的な事例とともに解説されています。理論だけでなく、地政学が現実の国際政治でどう機能しているかを知りたい方に最適です。

教養としての「地政学」入門

    出口治明

 / 

日経BP社

¥1,980

立命館アジア太平洋大学(APU)の元学長であり、稀代の読書家・出口治明氏が、「タテ(歴史)とヨコ(地理)で世界を読み解く」ことの重要性を説いた1冊。地政学を軸に、歴史、経済、文化を横断的に語り、まさに「知の総合力」が身につきます。出口氏ならではの明快な語り口で、世界の見方が一気にクリアになるはずです。

【テーマ別編】興味を深掘りする「専門の3冊」

入門書・実践書を読み終え、「もっと深く知りたい」という知的好奇心が湧いてきた方へ。ここでは、特定のテーマや古典に焦点を当て、地政学をより専門的に学べる3冊をご紹介します。

地政学

    コリン・S・グレイ

 / 

    ジェフリー・スローン

 / 

    奥山真司

 / 

五月書房新社

¥5,500

地政学の基礎理論から現代的な応用まで、第一線の専門家による研究論文を収めた本格的な1冊。他の入門書とは一線を画す専門性と網羅性を誇り、地政学を学問として体系的に理解したい方にとっては最適です。一編ごとの密度は高いものの、その分だけ、より強固な知識と分析力が身につきます。地政学の「本質」を、専門的な視点から学びたい読者におすすめです。

マッキンダーの地政学 デモクラシーの理想と現実

    H.J.マッキンダー

 / 

    曽村保信

 / 

原書房

¥3,520

「地政学の開祖」とも呼ばれるハルフォード・マッキンダーの古典的名著。現代の地政学の基礎となった「ハートランド理論」などの重要概念は本書から生まれました。発表から100年以上経った今でもその洞察は古びることがなく、国際情勢や安全保障を考えるでの原点として読み継がれています。地政学の「源流」に触れたい方にぜひ手に取っていただきたい1冊です。

「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

    小泉悠

 / 

東京堂出版

¥2,640

テレビやメディア解説でもおなじみの軍事評論家・小泉悠氏による、ロシア地政学の決定版。なぜロシアはウクライナに侵攻したのか。 プーチン大統領の行動原理とは何か。その背景を、帝政期から現代までの歴史的・地理的文脈から丁寧に読み解いていきます。現代の国際情勢を理解するうえで欠かせない、まさに「今」読むべき時事性の高い1冊です。

知識を武器に!地政学を「自分なりの視点」に変える3ステップ

おすすめの本を読んで知識をインプットしたら、次はそれを「使える武器」に変える段階へ。地政学を学びっぱなしにせず、「自分なりの視点」を育てるための3つのステップをご紹介します。

ステップ1:毎日のニュースと「答え合わせ」をする

まずは、テレビやネットで流れてくる国際ニュースを意識的にチェックしてみましょう。そのとき、「なぜこの国は今、この行動をとったのか?」と自問し、本で学んだ地政学の知識(地理的条件、歴史的背景、資源の有無など)と照らし合わせてみてください。ニュースの背景にある「理由」が見えてくると、情報が単なる「点」ではなく「線」として繋がる感覚が得られます。

ステップ2:「もし自分だったら?」と当事者目線で考える

ニュースの背景が理解できたら、一歩進んで「もし自分がその国のリーダーだったら?」「あるいは、その国でビジネスをする担当者だったら?」と当事者の視点で考えてみましょう。アメリカ、中国、ロシア、そして日本。それぞれの立場に立って物事を見ることで、単純な善悪二元論では捉えきれない、国際政治の複雑さとリアリティを肌で感じることができます。

ステップ3:自分の仕事や生活への「影響」を予測する

最終ステップは、得られた視点を自分の現実に結びつけること。「この国際情勢の変化は、自分の業界(会社)にどんな影響を与えるだろうか?」「円安が進むなら、自分の生活や資産形成はどう見直すべきか?」と、具体的な影響を予測してみましょう。ここまでできて初めて、地政学は「単なる教養」を超え、未来を生き抜くための「実践的な武器」となります。

まとめ:最初の1冊で、明日から見るニュースの色が変わる

「円安」「戦争」「米中対立」——。 これまでどこか遠い世界の話に聞こえたり、複雑すぎて理解を諦めてしまったりしていたニュースはありませんか?
地政学は、それら一つひとつの出来事が「なぜ」起きているのかを、地理的な条件から解き明かしてくれる「地図」のような存在です。
この記事では、地政学の入門に最適な本を、レベルや目的に合わせて厳選してご紹介しました。難しそうだと感じていた方も、マンガや図解から始めれば、その面白さにきっと気づくはずです。
最初の1冊を読み終えたとき、あなたが見るニュースの色は、もう以前とは違って見えることでしょう。「点」だった情報が「線」で繋がるーーそんな知的な興奮を、ぜひ体験してください。

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