希望はカリスマを生む。だがそれは日常化する。
支配の正当性は、なぜ三つに分類し得るのか。
ウェーバーの著作全体への入口とも言える本書は、支配のあり方を比較するために服従する側の動機から接近する。
服従のあり方から見出される正当性のタイプに基づいた支配の三類型(合法的・伝統的・カリスマ的)にはじまって、一つ一つの概念を緻密に検討する粘り強い論考は、やがて官僚制化の機制までも解き明かし、あらゆる「支配」の本質に迫る。
社会の科学はここからはじまった。
[本書の内容]
はしがき
第一部 権力と支配
第一章 正当性の妥当
第二章 官僚制的行政幹部をそなえた合法的支配
第三章 伝統的支配
第四章 カリスマ的支配
第五章 カリスマの日常化
第六章 封建制
第七章 カリスマの没支配的意味転換
第八章 合議制と権力分立
第九章 政 党
第十章 没支配的団体行政と代議行政
第十一章 代 表
第十二章 身分と階級
第二部 官僚制
訳 注
あとがき
解 説(橋本 努)