どうしても酒を飲まずにはいられない人生について。
「この調子で飲み続けたら、死にますよ、あなた」
それでも酒を断てず、緊急入院するはめになる小島容。
ユニークな患者たちとの会話や担当医師との対話、
ときおり訪れる、シラフで現実と対峙する憂鬱、
親友の妹が繰り出す激励の往復パンチ――
「飲む人間は、どっちかが欠けてるんですよ。
自分か、自分が向かい合ってる世界か」
劇作家、ミュージシャン、放送作家、ラジオパーソナリティ、小説家……
尼崎に生まれ、独創的なユーモアで幅広く活躍した中島らも。
実体験をベースに、生と死のはざまで揺らぐ人々を描き、
吉川英治文学新人賞に輝いた著者の代表作が新装版になって再登場!
没後20年を経ていまなお読者の心をつかんで離さない、
すべての酒飲みにささげるアル中小説のロングセラー。