◎第174回直木賞候補作◎
◎第16回山田風太郎賞受賞◎
冤罪で父を奪われた少女と、真実を求めた弁護士と検事。
昭和から続く80年の覚悟が、司法の「開かずの扉」をこじ開ける。
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重厚なリーガルミステリーの中で、女と男たちの人生が息をしている。
作者の才能はタフだ。
――朝井まかて
見てきたように景色と人を思い出せる。
物語に押し倒されるというのは、きっとこういうことなんだろう。
――桜木紫乃
生きるということは、かくも哀しく美しいものか。
司法の闇、冤罪の虚構、人間の絆。作家の才能に嫉妬する。
――堀川惠子
時代を超えて受け継がれる法律家の矜持に心が震えた。
―五十嵐律人
わたしはこれ以上のリーガルミステリを知らない。
―染井為人
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神がいるはずの街で起きた、司法の暴力。
父娘の幸せな日々は葬られた。
【あらすじ】
昭和18年。戦時下、「神都」と称される伊勢で、弁護士の吾妻太一は苦悩していた。
官憲による人権侵害がはびこり、司法は死んだも同然。
弁護士は正業にあらずと、子どもたちにさえ蔑まれていた。
だが、一人の少女・波子との出会いが、吾妻の運命を変える。
彼女の父は、一家惨殺事件で死刑判決を受けた囚人だった。
「お父ちゃんを助けて」
波子の訴えを受け、吾妻は究極の手段に打って出る。
無罪の証拠を得るため、自らも犯罪者として裁かれる覚悟をして――。
だがそれは、長い戦いの始まりに過ぎなかった。