稀代の異能批評家・菊地成孔による21世紀の「刑事コロンボ」研究。その決定版。
「刑事コロンボ(Columbo)」は1968年から2003年までの35年間、全69エピソードからなる、20世紀のTVドラマ史上、屈指の傑作として、世界中で熱中され、研究され、再放映され続けている名番組である。本書は21世紀の批評話法によるこの番組の研究成果であり、新鮮にして最大級の賛辞と愛を送る方法を模索する実験は、転倒と迂回を芳醇に含む、つまりは倒叙形式の書である。そして厳密には「続・倒叙形式の書」がより正しいことは言うまでもない。
*本書目次
頭語に代えて
前書き1 「〈倒叙〉とは何だったのか?」
前書き2 「続・〈倒叙〉とは何だったのか?」
前書き3 「弱度の推奨」
第1章 各 論
第1節「パス概念」
第2節「原題/邦題/ナ題」
第3節「リサ概念」
第4節「アイス概念」
中書き
~あなたが熱狂的に求めるかも知れない、
或いは〈手に取ると激しく後悔するのではないか〉という
奇妙な予感に囚われているかも知れない、
或いは全く欲望を持てないかも知れない「下巻」に向けて~