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「経済大国」から降りる

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商品説明
●金融政策は2%目標にこだわらず柔軟に。財政は一気に健全化は目指さず

 金利は今後、日本でもこれまでの政策を転換し、2%を超える局面が出てくるだろう。ただ、引き続き日本の潜在成長力の低さより、急激なインフレは起こらない模様。これまでの政策で、ひたすら「2%」にこだわることに意味があったのか。今後は供給構造の変化に着目し、他国の動きもみながら柔軟に対応することが必要になる。

 財政は、ブランシャールのDynamic Debt Sustainability Analysisを支持する。「政府の資金調達コスト<名目経済成長率」が維持できればある程度の財政赤字は保てると思うが、感染症や大規模災害に備え、赤字の削減はある程度は行っておくのがよいだろう。

 このように、まだ日本でも対応策は残されていると思われるが、一方で緩和余地+財政赤字余地は限りなく少ない。そういった中で、日本は欧州型のように比較優位分野に決め打ちをする産業構造にかえていく必要がある。日本は完全雇用に近い状態が続くと今後も想像されるが、日本の成長力を保つには、その中身が大事だ。ゾンビ企業を排し、リスキリングを柔軟に行ったうえで、産業構造を見直していくことが求められる。

 著者の神津氏は、日銀出身で、リコーの経済社会研究所で所長も務めた人物。マクロ分析には定評がある人物のひとり。
目次
第1章 再論・バブル崩壊以後の日本経済

第2章 あるべきマクロ安定化政策の姿

第3章 日本の金融政策をどう考えるか(1)──マクロ経済環境との関係

第4章 日本の金融政策をどう考えるか(2)──運営上の論点

第5章 日本の財政政策をどう考えるか

第6章 誤謬なきこれからの日本経済のイメージ
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