ナンセンスだからこそ、面白い。
三〇年間に二〇〇〇種以上刊行され、町人や下級武士に多く読まれた、江戸時代のベストセラー文学、黄表紙。ふざけた笑いに満ちた、江戸のナンセンス絵本文学を、読んでみませんか。『金々先生栄花夢』『辞闘戦新根』『江戸生艶気樺焼』『天下一面鏡梅鉢』の五作品を精選して収録。現代語訳と原文を見開きに配置(影印付)、頭注・解説も充実。
【黄表紙作者は川柳の作り手と同じ眼を持っていた。作品はふざけた笑いに満ちている。しかし、笑いは人間や社会を冷静に観察するものでなければ作れない。当然黄表紙の中には時に作者の社会や政治への認識をわずかにのぞかせることもあった。作者は慎重に笑いのオブラートに包んでこれを提供する。また、心ある読者はにやにやしながらそれを理解したことだろう。】……本書「黄表紙について—江戸のナンセンス絵本文学」より。