本書は、代数的・幾何的の両面からのアプローチにより、離散最適化理論に関するトピックを詳しく取り上げた翻訳書である。
各部で扱われるLLL簡約(第I部)、Graver基底(第II部)、母関数(第III部)、Grobner(グレブナー)基底(第IV部)、正点定理・零点定理に基づく緩和法(第V部)といったトピックは、それぞれ独立した書籍が多数刊行されるほど広く知られる手法である。
これらの理論は、最適化理論全体に於いても重要な基盤であるが、既存の書籍では最適化に関する記述に多くのページは割かれていない。ゆえに本書の大きな特長である「最適化理論と代数学の諸分野との関係を解説する」というコンセプトの下で編纂された書籍は、本書が初めて実施したものと言えるだろう。
現在、様々な大学で理工系の数学者を巻き込んだデータサイエンスに関する組織が次々立ち上がっており、社会的にも最適化理論の知識が広く求められている。
本書は15週の講義を意識し、各章ごとに新しいアイデアやツールへの招待をすることを想定して書かれている。
[原著:Algebraic and Geometric Ideas in the Theory of Discrete Optimization, SIAM, 2013]