「エパミノンダスよ。きみにはここに座して、
祖国テーバイを守ってもらわねばならない。だから、わたしが行くのだ」
スパルタ軍の支配から脱し、徐々に頭角を現した「テーバイ」。ギリシア神話の英雄
ヘラクレスを生んだこの国の一時代を担ったのは、2人の青年であった。
ペロポネソス戦争後の混迷する古代ギリシア世界で覇権を握った
テーバイの繁栄と衰退、そして彼らの刎頸の交わりを描いた物語。
敵軍に追い込まれ仲間たちが次々と逃げ出す中、
勇敢なペロピダスだけは希望を失っていなかった。
敵の猛攻を一身に受けるうちに遂に彼は死を覚悟するが、
その時誰かが彼をかばうように覆いかぶさっていることに気づく。
後世にまで引き継がれた戦法を考案した名将・エパミノンダスと、
気鋭の戦士・ペロピダス。2人の友情はここから始まった。
【目次】
第一章 テーバイの解放
第二章 刎頚の友
第三章 レウクトラの戦い
第四章 テーバイの覇権
第五章 覇者の栄光と苦悩
第六章 二将軍の最期の戦い