ドイツ第二帝政の第三代皇帝ヴィルヘルム二世(= カイザー)は、世界に冠たるドイツの地位の確立を目ざし、世界政策を強引に推進しようとした。しかし、こと志に反して、ことごとく失敗に終わり、その政策は、第一次世界大戦を引きおこした元凶というイメージを彼に植え付けてしまった。世界大戦の敗北とドイツ帝国の崩壊にともない、彼はオランダへの亡命を余儀なくされたのである。本書は、ドイツ帝国の流れを追うことによって、ヴィルヘルム二世とその時代を描き、あわせて国際関係の観点からドイツの歴史的役割を捉え直した好著である。