本書は、病いや障がいのある人々がどのように社会とつながり、新たな役割を見出しながら生きるかを探る一冊です。患者会、ピアサポート、セルフヘルプグループなどのコミュニティが果たす役割に注目し、医療の枠を超えて社会全体で支え合う仕組みを考察します。
近年、医療において「患者」が単なる受け手ではなく、自立した市民・生活者として主体的に関わることの重要性が強調されています。患者・市民参画(PPI)、患者中心(Patient Centricity)、患者エンゲージメント(Patient Engagement)といった概念が注目され、病いや障がいを持ちながら生きる人々の活動が、他の患者にとって大きな支えとなることが明らかになっています。一方で、病気を抱えることで社会的役割を喪失し、孤独や孤立を感じることも少なくありません。こうした課題に対し、患者自身やコミュニティがどのような取り組みを行っているのかを詳しく紹介しています。