序 論 それでもなぜ、トランプは支持されるのか
第Ⅰ部 トランプ政権誕生の思想史
忘れ去られた異端者らの復権/ジェームズ・バーナム思想とトランプ現象/よみがえる「美しき敗者たち」
第Ⅱ部 現代アメリカの思想潮流
保守思想とアメリカ政治の現在 ――ポピュリズムとの相克/トランプ政権の外交思想を考える/トランプ政権を取り囲む思想潮流
第Ⅲ部 地殻変動の後景
福音派はなぜ政治を動かせるのか――アメリカの「政教分離」が意味するもの/アメリカ白人社会の格差と病――『絶望死のアメリカ』など/ハイデガー「技術論」でアメリカ公共宗教を読み直す/トランプ現象は終わらない――建国にさかのぼる孤立主義
第Ⅳ部 文化戦争と「キャンセル・カルチャー」
アメリカに吹きすさぶポリコレの嵐/『ニューヨーク・タイムズ』が突き進む歴史歪曲/国民を分断する歴史教育と左翼意識の「目覚め」
第Ⅴ部 思想の地政学
バイデン政権が抱えた課題/ウクライナ侵攻の「思想地政学」
第Ⅵ部 思想家ラッセル・カーク再考
『保守主義の精神』出版70年とアメリカの分断/保守思想家ラッセル・カークと「死者たち」/近代に見失われた共時性が貫く共同体/E・マクレランと江藤淳の『こころ』