まえがき 痩せ姫として生きるあなたへ - つらさが伝わらないつらさ
死に近い場所で見える風景 - もうひとつのまえがき
第一章 不完全拒食マニュアル
制限型 「私は切手をなめることさえしません。切手の糊のカロリーについて知っている人はいないと思いますけど」
排出型1「一回コツをつかめば、自転車の運転みたいに無意識にできるようになる」
排出型2「誰かチューブ吐きのやり方を教えてください」
排出型3・その他「下剤が千五百錠、利尿剤が三百錠、瘦せ薬が数箱。宝物の詰まったバッグを抱えているようで嬉しくてたまらない」
痩せの確認「それこそ果てしない儀式の始まり。つらいぞ、儀式は」
瘦せのカムフラージュ 「百均に売ってるような250グラムのおもりを、手足に2コずつ計4コつければ1キロ」
停滞期 「それからは順調に減っていきました。今考えると、ホメオスタシスにショックを与えたということかな」
バイキング 「時間無制限だから、まだまだ食べるけどね(略)とりあえず、店は出たけど。泣きそう」
万引き 「できることなら、あのままずっと入院していたかったです」
援助交際 「正直、怖いし、気持ち悪いし、惨めな気もするけど、愛してもらえる嬉しさもあって」
風俗 「もっと太ってから来てほしい、と言われました。あと10キロ以上増やさなきゃいけないみたい」
落穂ひろい1 「かき氷は人間がとりあえず生きるのに必要な水分と糖分を摂取できる素晴らしい食べ物なので」
落穂ひろい2 「生まれた子は、奇跡の赤ちゃんと呼ばれていました。拒食症でも母となることはできるんですよ」
第二章 SNSという居場所
「私のなかにブタがいる」/食べさせる人は敵/症状格差と治療意欲格差/カリスマ瘦せ姫/スレンダー芸能人/他人感覚とプロアナ
第三章 歴史と物語と思い出のなかの瘦せ姫
激瘦せ史の分岐点/死に魅入られたプリンセス/母殺しのメルヘンと姫系コーデ/天使の食べもの/心のモルヒネがあれば・・・」/命よりも大事なもの/生理が敵となる世界/折れる体と折れない心/フードファイターの謎/老いという難関/期間限定を生きる覚悟
第四章 そして、未来のイヴへ
「胸も生理もいらない」/美は2.5次元へと向かう/『まどマギ』という理想郷/『時空散歩』としての拒食/弱さを持ち続ける強さ/生と死の曖昧の域で/瘦せ姫にとっての幸福/中二病と消えたい症候群/生きる理(ことわり)をさがして
あとがき 生きづらさの果てに