はしがき―本書のねらい
◆第Ⅰ部 原と大隈のとらえられ方
第1章 原をどうとらえるべきか
1 現実政治家原の理念
2 近年の異質の著作
第2章 大隈をどうとらえるべきか
1 理念の政治家としての大隈像の形成と揺らぎ
2 大隈の実像を考える
◆第Ⅱ部 二人の不幸な出会い―一八三八年~一八九八年
第3章 大隈と伊藤博文との対立の中の原―一八三八年~一八八一年一〇月
1 原の成長
2 大隈の反薩長感情の醸成
第4章 原と大隈の「接触」―一八八一年一〇月~一八八九年一二月
1 伊藤博文人脈の原
2 大隈に失望する原
第5章 伊藤系人脈につながる原―一八九〇年一月~一八九六年九月
1 官僚としての原の手腕
2 政治家としての大隈の成長
第6章 大隈への敵意を強める原―一八九六年一〇月~一八九八年二月
1 朝鮮での原の鉄道交渉
2 大隈外相と朝鮮の鉄道
◆第Ⅲ部 列強の東アジア進出への対応―一八九八年三月~一九一四年四月
第7章 中国・朝鮮をめぐる危機の中での二人―一八九八年三月~一九〇〇年
1 大隈の「小さな政府」・「支那保全論」
2 原の「大きな政府」・清国での「権力平均論」
第8章 原の台頭と大隈の没落―一九〇一年~一九〇四年二月
1 原の立憲政友会掌握への道
2 ともに日露開戦に慎重
第9章 日露戦争以降の権力逆転―一九〇四年二月~一九一〇年三月
1 原の躍進と大隈の衰退
2 大隈を「対外硬」と思い込み続ける
第10章 原の予期しない大隈の復活―一九一〇年四月~一九一四年四月
1 第一次護憲運動に加担しない
2 政権獲得を競う二人
◆第Ⅳ部 第一次世界大戦による秩序変動への対応の違い―一九一四年四月~一九二二年一月
第11章 第二次大隈内閣期の二人の対決―一九一四年四月~一九一六年一〇月
1 大隈首相の攻勢
2 際立つ原の世界秩序観
3 原の反撃
第12章 原の戦後大変革構想と寺内内閣―一九一六年一〇月~一九一八年九月
1 原内閣への道
2 老境に入る大隈
第13章 原内閣と戦後大改革―一九一八年九月~一九二二年一月
1 組閣をめぐる原と大隈
2 原内閣の展開
3 山県を取り込み陸海軍・宮中を統制下に置く
4 晩年の大隈の世界観・国内観
5 葬儀での二人の「競いあい」
終 章 大隈を超えた原
参考文献
あとがき
原敬・大隈重信略年譜
人名索引