1.古代ギリシャにおける科学の誕生と数学への関心の高まり 2.エウクレイデス『原論』の登場と数学者エウクレイデスによる数学的自然学 3.『原論』後のヘレニズム世界における数学者たち―アルキメデス 4.ヘレニズム世界における天文現象の数学化とプトレマイオス『アルマゲスト』による計算天文学 5.数学者プトレマイオスの数学観とプトレマイオス以後のヘレニズム世界での数学の展開 6.イスラーム文化圏での科学と数学伝来前夜―マンスール期を中心に 7.イスラーム文化圏での科学と数学の存在意義―マームーン期以降の展開 8.イスラーム文化圏での科学と数学における新たな展開―権威を乗り越える論証科学の担い手たち 9.12世紀ルネサンス期ヨーロッパにおける科学と数学 10.ヨーロッパの大学における科学と数学 11.ルネサンス期における物体天球論の展開と数学者コペルニクスによる太陽中心説の登場 12.数学による天球の否定-ティコ・ブラーエからケプラーへ 13.ガリレオと新たな数学的自然学としての運動論 14.デカルトによる世界の数学化 15.ニュートンと近代科学の成立
科学の根幹を支える学問である数学は、古代から長い歴史を持っており、地域や時代によってさまざまな数学的活動が営まれた。本書では、古代から近代科学成立にいたるまで、数学が各地域各時代で、どういった人々によって、どういった目的で、どのような形ではぐくまれてきたのかをたどる。
数学の歴史を、古代ギリシャから紐解くことで、数学という営みを世界の歴史の視点から見るきっかけを与える。