「諸学の基礎は哲学にあり」の精神を基として、真理の探究をはかる青少年の育成に情熱を注いだ哲学者の井上円了博士が創設した東洋大学京北中学高等学校。学校創立125周年を契機に、教育の柱の一つである哲学教育の過去と現在の取り組みを整理し、世の中に広く知ってもらい、さらにこれからの方向性を探っていくためにまとめたものが本書です。
新型ウイルスの流行、災害などでこの世の未来に不安をもっている妖怪の「アマビエさん」が、円了先生の導きで東洋大学京北中学高等学校を体験しに行く。そして、生徒の哲学対話の様子や様々な学びを通して成長する姿、それを支える先生たちの熱意を目の当たりにして、希望を抱き帰っていく―という物語構成になっています。
読者は、物語を読みながら、アマビエさんと一緒に東洋大学京北中学高等学校の生活を疑似体験することができます。
世の中が変化しAIが急激に進化する中で、哲学教育の重要度はますます増しています。それは「答えのない問いに対して自ら考え、多くの人や書物、AI等と対話しながらさらに広く深く考えていく中で、自分の哲学をもつ」ことを繰り返すことが、「より良く生きる」ことに繋がっていくと考えられるからです。ぜひ、生徒たちと同じように日常の生活の中で「哲学のたねを蒔く」ことで、ご自身のより良い生き方を追求していただけると幸いです。