強度行動障害という言葉をご存知でしょうか。
重度知的障害や自閉スペクトラム症の方に多い「特性」のことです。
強いこだわり・自傷・他害・物損・異食・多動などが特徴です。
強度行動障害の一つにパニックがあります。
大声を上げ、自分の手で自分の頭を強く叩き、壁に頭を打ちつける……。
そうしたパニックが起きると、落ち着くまでに数時間かかることもあります。
強度行動障害を持つ方は4万人といわれ、特別な支援が必要とされます。
著者は、障害を持つわが子のためにグループホームを立ち上げたシングルマザーです。
自身が経営する4棟のグループホームでは、強度行動障害を持つ方を受け入れ、支援をしています。
著者は言います。「強度行動障害を持つ人が見ている世界を知ろう。私たちとの認知の違いを理解できれば、彼ら彼女らの不安や不快を減らすことができる」と。
本書では、強度行動障害を持つ方が困った行動をとる「5つの理由」と「7つの対応」をまとめています。
さらに、「18歳の壁」「老障介護」「親亡きあと」といった問題にもページを割いています。
強度行動障害を持つわが子を「誰が支援してくれるのか……」「住まいはどうしたらいいのか……」「お金をどう残したらいいのか……」。
将来の不安を解消するヒントを紹介しています。
強度行動障害という「特性」を持っていたとしても、不安や不快を取り除き、安心して暮らせる時間を増やすことで、お子さんは穏やかな時間を過ごしながら、少しずつ自分のペースで成長していけます。本書のその一助になれば幸いです。
【目次】
PART1.強度行動障害の困った行動が起こる、5つの理由
PART2.強度行動障害の困った行動を解消する、7つの対応
PART3.障害のあるわが子とずっと一緒に暮らせるわけじゃない
PART4.障害のあるわが子の「将来の暮らし」を考えよう
PART5.「親亡きあと」のお金の問題を考えよう