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商品説明
最愛の人を喪った悲しみにどう向きあうか。
天才歌人である妻・河野裕子を2010年に亡くした永田和宏が、同じく最愛の人を喪った作家・歌人・医師たちと本音で語りあう。
最愛の伴侶との思い出を語りあう遺されたもの同士の対談は、お互いの心の深層から飾りのない言の葉を導き出す。
後悔や悲しみを抱えているすべての人に贈る、魂の対話集。

集英社クオータリー「kotoba」の連載を大幅に加筆修正し、書籍化。

小池真理子(作家)
作家・藤田宜永と直木賞作家夫婦として共に歩んできた小池真理子は2020年に藤田をがんで亡くす。藤田との日々を綴ったエッセイ『月夜の森の梟』(朝日新聞出版)は多くの読者の心の支えとなり、大きな反響を呼んだ。同業の伴侶と過ごした日々についてお互いの胸の内を語りあった。

垣添忠生(国立がんセンター名誉総長)
長年医師としてがん患者に寄り添ってきた垣添忠生は、2007年に最愛の妻を亡くす。亡き妻との思い出を綴った『妻を看取る日』(新潮文庫)はベストセラーに。失意から一時は酒に溺れるも再び立ち上がり、自身もがんに侵されながらもそれを乗り越え、現在はがんサバイバー支援活動を行っている。我々はがんとどう向きあうべきか、そしてがんを告知された人に対してどう寄り添うことができるのだろうか。

小池光(歌人)
永田と同年代の歌人である小池光は、2010年に永田と同じく妻をがんで失う。だが失意の中でも歌人は死者を悼む「挽歌」を詠む。永田にとって「数少ない呼び捨てで呼べる友人」だという小池光と、伴侶を失った歌人同士、お互いの短歌について語りあう。

徳永進(内科医)
鳥取のホスピス「野の花診療所」で尊厳ある看取りを行う徳永進。終末医療の観点からこれまでの対談を通して見えた「寄り添う言葉」について永田と語りあう。がん患者に対して家族はどう接するべきなのか。そして最後にはどのような言葉を伝えたらよいのだろうか?

<著者略歴>
永田和宏(ながた・かずひろ)
歌人、細胞生物学者。JT生命誌研究館館長。京都大学名誉教授、京都産業大学名誉教授。1947年、滋賀県生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。京都大学結核胸部疾患研究所講師、アメリカ国立がん研究所客員准教授、京都大学再生医科学研究所教授、京都産業大学総合生命科学部学部長、日本細胞生物学会会長などを歴任。ハンス・ノイラート科学賞受賞。歌人としては歌会始詠進歌や朝日歌壇の選者を務める。著書に『もうすぐ夏至だ』(白水社)、『歌に私は泣くだらう』(新潮文庫)、『知の体力』(新潮新書)、『あの胸が岬のように遠かった』(新潮社)、『置行堀』(現代短歌社)などがある。
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