敦煌文献や日本伝来の寺院資料の調査・研究に基づき、華厳教学が誕生した唐代初期の仏教史を見直すとともに、その後の思想的展開を追う。東アジア仏教史における華厳教学の形成を新たな視点から紐解く画期的研究。
序 論
第一篇 華厳教学の黎明─無尽への道程
第一章 智儼の著作についての書誌的考察
第二章 南北朝から隋唐の『華厳経』解釈の変遷
第三章 隋唐における教体論の諸相
第四章 無尽の思想と華厳五教の成立
第二篇 東アジア仏教の教学形成と系譜意識
第五章 法蔵撰『華厳経探玄記』と『文義綱目』の成立過
[附1] 『文義綱目』序~第七門と『探玄記』の対照
[附2] 称名寺蔵『大方広仏華厳経八会章/華厳文義綱目』について
第六章 同体門・異体門の形成
第七章 南宋における華厳宗章疏の刊刻と教学の展開
[附] 湛睿写『孔目章成仏心要後序』「宋版華厳孔目章後序」翻刻と訳註
第八章 平安初期南都諸宗の草木成仏論
第三篇 インド仏教への視角──憧憬と権威
第九章 初唐の異国僧──長耳三蔵の思想とその受容
第十章 長耳三蔵と中国仏教思想
第十一章 紀国寺慧浄の著作に関する基礎的研究
結 論
参考文献一覧
あとがき
索 引