まえがき………諸岡卓真
〔Ⅰ 危機の時代のミステリ:災害・狂気・戦争・閉鎖空間〕
転位/回避される〈危機〉:江戸川乱歩と海野十三における関東大震災の影………井上貴翔
神経衰弱と〈探偵小説〉:小酒井不木「懐疑狂時代」論………鈴木優作
衛生とミステリ:〈浴室の死体〉というモチーフ………小松史生子
“捏造”された市と戦災:松本清張『砂の器』を読み直す………高橋啓太
災害/原発ミステリの諸相:関東大震災から東日本大震災まで………押野武志
信頼する犯人:今村昌弘『兇人邸の殺人』論………諸岡卓真
〔Ⅱ 世界のエッジ:危機表象のフロンティア〕
ビデオゲームにおける(危機の)表象:『ダークソウル』を例として………榊 祐一
「決定」をやりなおす:黒沢清『回路』について………川崎公平
描かれる他者、描かれない他者:「火垂るの墓」論………横濱雄二
セカイ系と「危機」の平成史:言説と表象の変遷で辿る30年………渡邉大輔
災厄の記憶と、その歪み:東日本大震災後のアニメーションと純文学を例に………藤田直哉
はっきりしない危機表象:森泉岳土の諸作について………阿部嘉昭
あとがき………押野武志
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