本書では、ABC(Activity Based Costing、活動基準原価計算)、ABM(Activity Based Management、活動基準管理)、ABB(Activity Based Budgeting、活動基準予算管理)を含むABCと、これから進化したものとしてTDABC(Time Driven Activity Based Costing、時間主導型活動基準原価計算)を捉えて分けて考えるものである。また、ABCとTDABCのアプローチのどちらを選択するかに対しては、活動の量的な規模(サイズ)や生産的に消費される実際的キャパシティを明らかにする技術的特性を変数とするコンティンジェンシー理論の応用が効果的になると考える。
このように、本書は、ABCの原点とその展開に特化した、その意味において専門書といえるかもしれない。その一方で、各章ごとに問題を設定、巻末に解答を提供して、ABCの理解力のチェックと基礎力の要請に役立つよう配慮している。