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鷗外の甍

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商品説明
                
   吾もきみも河原乞食とながらへて閻浮は歌の花ざかりなれ


2024年「鷗外守」20首にて第60回短歌研究賞を受賞した著者の第十三歌集。

歌集冒頭の頃、著者は大学の附属図書館長となった。
定年を迎えた今もその鷗外ゆかりの図書館の仕事を続け、自らを「鷗外守」と任じている。

あとがきには、「森鷗外。石原純。北原白秋。木下杢太郎。釈迢空。南原繁。馬場あき子はじめ現代歌人たち。歌集題『鷗外の甍』は、明治から連なる皆さんへのオマージュです。」と記し、科学者であると同時に歌人であることに思いを巡らせている。
2021年春から2025年新春までの507首を収録。


【収録作品より】

妻も吾も梅雨のあらくさ戦争のすきまに生きて六十余年  ──「梅雨のあらくさ」

「出征」は出づるにあらず征くならずサイバーの野に矢を放つこと   ──「出征」

ちりあくた舞ふうつしよの昼の鐘帰りなむいざ鷗外文庫   ──「鷗外守」

わたくしは世界とおなじ壊れものペットボトルを双手でつぶす   ──「世界とおなじ壊れもの Ⅰ朝刊」

AIもおもしろけれど薔薇咲けばブリコラージュの歌を歌はな   ──「擁腫」



装幀=岡 孝治(Oka Design Office)
目次
漏刻
休学届
梅雨のあらくさ
夏の雛
オレステース
幸せな母
出征
悪趣味
直学拒世
三割
たけとガリレオ
二十五時
鷗外守
死びと
海境
友とするに
白秋謹呈『櫻』を購ふ
四十雀
コピー
世界とおなじ壊れもの
 Ⅰ 朝刊
 Ⅱ 葦とAI
 Ⅲ 伝令と薔薇
 Ⅳ 新宮へ
 Ⅴ 鷗外文庫
猟犬
アルキメデス
しらひげ
大日越
父のふるさと
桜道中
擁腫
森の中へ
紙風船

あとがき
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