サプライチェーンにおいて,内示(発注者からメーカーなどに提示する注文予定情報)は不確実性・あいまい性を持つために,「そのデータは使いにくい」と考える企業は多い.
本書は,このような内示の特性を見極め,有効性を解明し,レジリエントな在庫管理・調達管理業務に効果的に活用する方法と実際を指南した初めての書である.
主な内容は,①内示は6つの特性と5つの有効性がある(1章) ②内示を使った在庫管理法は需要変動追従性に優れ,従来の安全在庫法を凌駕する(6章)③内示は先行需要予測情報である(6章)④内示取引プロセスには,「ブレを修正する仕組み」と「暗黙の協調原理」が潜在する(8章)⑤実務データを直接反映した「そのまま分布」は非常に効果的である(11章)⑥例題を用いた丁寧な技法の説明(3章,5章)⑦内示を用いる時の留意点(13章)などである.
また,用語集,統計解析ソフトRのコードなどを付録に掲載している.受・発注業務に携わる実務家,DX推進者,研究者・学生,本書をそれぞれの専門分野の応用事例と捉える専門家向け.