<本書のポイント>
著者より
本書は、液体クロマトグラフィー質量分析法(liquid chromatography mass spectrometry, LC/MS)を用いた定量分析に関する専門書(入門書)である。質量分析法は、そもそもはマススペクトルを解析する定性分析のための学問である。しかし、LC/MSによる定量分析現場においては、多くの場合マススペクトルは測定されず、分析種の定量値だけが扱われる。著者は、定量分析であっても質量分析である以上マススペクトル解析の基礎的な部分は知っておいて欲しいと言う想いから、定量分析に関する専門書にも関わらず、マススペクトル解析の部分にかなりのページ数を割いた。また、LC/MSにおけるイオン化について、特にESIにおいて観測されるイオン化抑制については、理解している範囲で詳細に解説した。
本書が、LC/MSにおける定量分析のみならず、広く質量分析を扱う分析者の皆さんの参考になれば幸いである。
本書を読んで理解出来ること
・LC/MSで得られるデータについて
・マススペクトルから得られる情報
・LCで用いられる移動相溶媒について
・LC/MSで用いられる移動相溶媒について
・質量分析の代表的なイオン化法の原理
・代表的な質量分析計の原理
・マススペクトル解析の基礎
・MS/MSについて
・プロダクトイオンスペクトル解析の基礎
・LC/MS(/MS)による定量分析のメリット
・LC/MS(/MS)による定量分析の基礎
・代表的な試料前処理法
・LC/MSにおける代表的なトラブルシューティング