(編者序文より抜粋)
頸動脈エコー検査は、1980年代後半に開発された、非侵襲的な頻回計測可能な検査法であり、現在、早期動脈硬化検査法としてデファクトスタンダードになりつつある検査法である。本法の長所として、①実際の頸部動脈硬化病変と頸動脈エコーで得られる所見とよく一致すること、②計測の範囲が極めて広いこと(プローベを用いると、3歳の小児の頸動脈も観察し得ること(但し、完全に閉塞すると当然肥厚度は計測できない)、③患者に説得力のある検査結果が得られること、④動脈硬化症の代理指標(サロゲートマーカー)として多数のエビデンスが集積されている、⑤長時間を要するが、治療介入の効果判定にも使用できる、など優れた利点を多く有している。逆に、施行上の問題点としては、①評価に耐えうる画像を描出する術者の手技、②計測方法、手技の均質化、③診断結果の統一性、などがあげられよう。
本書は、上述の問題点を踏まえ、頸動脈エコー検査実施上で必要な検査手技、計測方法、頸動脈エコー所見の意義などを、実際にこの検査を行う医師や検査技師向けに詳細に解説し、あすからの検査に活かしていただくべく、編集したものである。
本書が、実地医家の先生や一線の検査技師の方々の必須のマニュアル本として使用されることを祈念して、本書出版にあたっての序としたい。