• 発売日:2024/08/27
  • 出版社:並木書房
  • ISBN:9784890634538

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青嵐会秘録

青嵐会秘録

通常価格 2,970 円(税込)
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商品説明
1973年7月、自民党の若手議員らが派閥を超えて結成した保守政策集団「青嵐会」。ときの首相・田中角栄による日中国交回復や金権政治体質に対して公然と異を唱え、結成時には結束の強さを示す血判を行い、社会に衝撃を与えた。しかし、結成時の鮮烈さとは対照的に、政局の大勢を転換することなく、わずか6年で挫折。自民党政治を党内から改革するために立ち上がった中川一郎、石原慎太郎、渡辺美智雄、中山正暉、浜田幸一、玉置和郎ら個性的な政治家たちの言動、そして青嵐会消滅に至るまでの軌跡を気鋭の政治学者がたどる!
目次
序章 青嵐会はいかにして生まれたか 6

広がる政治的閉塞感/五五年体制とは何だったか/青嵐会への評価/本書の視点と構成

第一章 五五年体制の形成と展開 19

第一節 敗戦と占領 19

初期対日占領政策/日本国憲法第九条/冷戦の波及と占領政策の転換/サンフランシスコ平和条約と日米安保条約

第二節 主権回復と政界再編 29

反吉田勢力の台頭/保守合同

第三節 自民党単独政権時代の始まりから「政治の季節」へ 32

「独立の完成」を目指した鳩山一郎/岸信介と「日米新時代」/安保改定

第四節 経済大国への道と自民党政治の完成 37

池田内閣と開放経済体制への移行/佐藤内閣と日韓・日米関係/「ニクソン・ショック」と「保守の危機」

第二章 田中内閣の成立から青嵐会の結成へ 45

第一節 時代背景と人的構成 45

党内状況への危機感/一九七二年の自民党総裁選挙/中ソ対立から日中国交正常化へ/青嵐会結成に向けた動き/役職者に見る派閥分布

第二節 五人の代表世話人 68

中川一郎/湊徹郎/渡辺美智雄/藤尾正行/玉置和郎/『朝日新聞』による報道/保守勢力からの期待/青嵐会の中心メンバーは誰だったのか

第三節 外交・安全保障と憲法への認識 90

「青嵐会趣意書」/「青嵐会の外交の基本方策」/中山正暉の憲法論/「青嵐会は許さない」/「青嵐会は主張する国民集会」

第三章 青嵐会の先鋭化と失速 128

第一節 田中内閣の崩壊過程と三木内閣の成立 128

存在感を増す青嵐会/『人民日報』が報じた青嵐会/第二次田中内閣発足と第二九回自民党大会/日中航空協定締結問題の浮上/自民党総務会を揺るがす青嵐会/「金権政治批判」の高まり/三木内閣の成立と青嵐会/政綱改正をめぐる河野グループとの対決

第二節 政府主催憲法記念式典糾弾国民大会 160

ロッキード疑惑から「三木おろし」へ/玉置和郎と三島由紀夫/「政治といふものはハネ上がつてやれるものぢやない」/渡辺美智雄と「スト権スト」問題/青嵐会を去った山崎拓と松永光/新自由クラブ結成と第三四回衆議院議員総選挙/青嵐会の問題点はどこにあったか

第四章 青嵐会の終焉 196

第一節 福田内閣の成立 196

中川一郎と渡辺美智雄の軋轢/日中平和友好条約の調印/中山正暉の抵抗/青嵐会解散を決定した赤坂会合

第二節 青嵐会以後 215

派閥の体をなしていなかった自由革新同友会/米価問題と元号法制化/四〇日抗争/ハプニング解散/小林興起が見た中川一郎

第三節 一九八二年の自民党総裁選挙 228

「スルメになるな」/浜田幸一とラスベガス事件の真相/玉置和郎の衆議院鞍替え問題/中川一郎の焦りと落胆

第四節 祭りの後 239

中川一郎の自裁/中曽根内閣に見るポピュリズム/中曽根政治が残した禍根

第五節 政策集団青嵐会はなぜ消滅したか 250

補論 『日本列島改造論』と青嵐会に見る国土開発の思想 263

第一節 問題の所在 263

第二節 『日本列島改造論』とその背景 266

第三節 『日本列島改造論』の挫折 270

青嵐会から見た『日本列島改造論』/自民党内と業界団体の反対/田中角栄と日ソ関係/第一次石油危機と高度経済成長の終わり
第四節 中川一郎 278

北海道と国の媒介役を目指して/北海道第五区と中川一郎後援会/北海道振興への視点

第五節 浜田幸一 287

党人政治家への道/東京湾アクアラインと房総半島振興

第六節 玉置和郎 294

宗教界からの政界進出/半島振興法の制定/半島地域の現状と「地域主権」という幻想

第七節 渡辺美智雄 302

インフレ抑制と地方分散を目指して/中曽根内閣と国鉄民営化/広域行政への視点

第八節 小括─国が果たすべき役割と責任─ 315

終章 現代政治が失った青嵐会の精神性と行動力 326

一九七〇年代の教訓/厳密に一元化されていなかった青嵐会の対外認識/「侍」がいなくなった時代と自民党の行方

あとがき 340
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