周防大島、ハワイ、台湾――かつて海をわたった人々とデジタルヒューマンが交差するとき、時空を超える旅がはじまる
山口県周防大島町の日本ハワイ移民資料館で開催された「原田裕規 個展 やっぱり世の中で一ばんえらいのが人間のようでごいす」(2023年)の展示記録および、映像作品「シャドーイング」シリーズ(2022年~)台本、著者と企画者および寄稿者によるテキストで構成するモノグラフ。
アーティスト・原田裕規による「シャドーイング」シリーズは、⽇系アメリカ⼈が読み上げる台本を原⽥が「シャドーイング(復唱)」して追いかけ、移⺠たちの⾜跡を⺠俗学者・宮本常⼀の視点を交えながら、現代を⽣きるアーティストが新たな物語として描き出す映像作品です。
その台本5篇をピジン英語を含む日英表記で掲載。著者が参照し共鳴したテキストとして、宮本常一のエッセイ「海ゆかば」を再録します。
芸術作品への葛藤と批評、歴史と海をめぐるエッセイは、ひとつの展覧会を起点に過去と未来を往還しながら、わたしたちを海上の旅へと誘います。