
丸善ジュンク堂書店
10代のための読書マラソン2025
supported by マイナビ
入賞者発表
今回(2025年度)は、昨年を大幅に上回る合計2,315枚におよぶ多数の感想カードの応募がございました。ご参加いただいた皆様には実行委員一同深く感謝いたします。
今回、表彰対象を大幅に増やしたにもかかわらず、素晴らしい作品が非常に多く、そのすべての感想カードを表彰することができませんでしたが、金賞、銀賞をはじめ各賞を受賞された52名の作品と、63冊の本を読んで最多読破賞を受賞した方々の感想カードは、いずれ劣らぬ素晴らしいものです。
また、昨年表彰された方にも今回多数のご参加をいただき、5名のレジェンド賞を贈ることができたのは、大きな喜びとなりました。
※10代のための読書マラソン2025 supported by マイナビについてはこちらのページをご確認ください。
フェア情報
「書店員がいま一番気になる本2025フェア」を2025年10月10日から開催いたします。
開催期間
2025年10月10日(金) ~ 11月9日(日)
実施店舗
丸善ジュンク堂書店グループ店舗
※以下対象外店舗を除いた丸善ジュンク堂書店グループのhontoポイントサービス実施店舗が対象です。
hontoポイントサービス実施店舗一覧はこちらからご確認ください。
※magmabooks、函館栄好堂および一部戸田書店(hontoポイントサービス実施店舗)を含みます。
対象外店舗
文具専門店(丸善 アトレ大森店 / 丸善 川越丸広店 / プレス・アミ ワカバウォーク店 / 丸善 プライムツリー赤池店 / 丸善 鹿児島山形屋店)
hontoポイントサービス未実施店舗(丸善 立川伊勢丹店 / 丸善 丸広百貨店飯能店 / 丸善 浦和伊勢丹店 / 丸善 広島三越店 / ジュンク堂書店 旭川医科大店)
その他(EHONS TOKYO、EHONS UMEDA、M.LEAGUE OFFICIAL SHOP 東京、M.LEAGUE OFFICIAL SHOP 大阪、Personal Lounge 丸善の三階)
入賞者一覧
フェア対象書籍を書店スタッフのコメントと共にご紹介します。
※店舗・通販の在庫状況によっては売り切れている場合がございます。予めご了承ください。
※カバーは店頭・通販商品と異なる場合がございます。
金賞
副賞:図書カード 30,000円分(3名)

りょうじい
さん(13)
広島・長崎県民だけでなくほとんどの日本国民の知っている原子爆弾のリトルボーイとファットマンの投下。広島県民でありなから私はこれを読んではじめて“原爆の父”を知った。
永遠に語り継がれるであろう原爆の存在。部活で化学や物理学を研究ししている私にとってこれは本当に衝撃を受けた。化学を、知識を人を傷つけるために使うという行為に、私はこんな時代を再来させてはならないと感じた。
主人公、オッペンハイマーはきっとこの時代に生まれていなければ、その知識を、能力を人類の発展のために使ったであろう。本当に戦争は恐ろしいと思う。

以是
さん(18)
この作品を一言で表すならば「ギャグ」だ。ギャグとは話の合間に狭むものだから可笑しく感じられるかもしれないが実際そうである。絶対こうなるやつやん!というフリの数々、そんなことあるかいな!と話したこともない関西弁でツッコンでしまうようなストーリー展開、どれをとっても面白い。
まずアパートの一室のクローゼットが他の国とつながっていてその部屋には何人目かの王妃が住んでいる、という設定がメチャクチャだ。イギリスのホテルの一室が一日だけユーゴスラビア領になったという話も信じ難いのに。
とはいえ、メチャクチャ、ドタバタなストーリーが作者の作品の楽しむポイントだと思う。終始、クスっと笑えた。
銀賞
副賞:図書カード 15,000円分(5名)

アザラシ
さん(16)
中学生のとき金魚を飼っていたが、みんな一年もたたず死んでしまった。
何が原因だったのだろうとふと気になり、本書を読んでみた。
知らなかったことがたくさんあった。金魚どうしの相性や、水換えの方法、病気のことなど。特に、水五リットルに小型二尾までしか入れてはいけないことに驚いた。数年前の金魚たちは水質悪化が原因だったのかもしれない。
無知は怖い。これから命を預かることがあったら、よく学んだ上で預かろう。
金魚さんごめんなさい。ありがとう。

アボカドの実
さん(15)
私がこの本を本格的に読んだのは約2年前のこと。というのもハリー・ポッターシリーズはDVDでは何度も見たことがあったのだが、本を読むことが苦手だった私にとって原作本の方は、分厚くて開いてみては閉じるという作業を繰り返し、結局読んだことがなかったのだ。
しかしその日は直感で、絶対最後まで読んでみると決めて、恐る恐る1ページずつめくっていった。やはり文字が小さく細かいなぁ読めるかなぁなどと思っていた。
しかしそう思ったのは一瞬のことで、気がつけば読み始めてから約2時間経っていた。その時のことは今でも忘れようにも忘れられない。本を読むことが苦手だった私にとって、大きな思い出となった。
このハリー・ポッターシリーズは読むアトラクションのようで、不思議と読むという感覚が少ない。もともと冒険などが好きな私は一人の魔法使いとしてハリー・ポッターシリーズの世界観の中に吸い込まれていった。
そしてそれから私は数日で一巻を読み終えたのだが、この本を読み始めたその日から私はありとあらゆる本を楽しく読めるようになった。
今思うと、あの時の直感は今につながっているのかもしれないとふと思った。
この読書マラソンに参加しているのも、私がこのシリーズを読んだことにより、人生が180度変わり、本と出会うことの素晴らしさに気がついたからかもしれないと。

まおリン
さん(10)
私のお父さんは宇宙に関係するお仕事をしています。
でもどんなお仕事かこれまでわかっていませんでした。
この本には宇宙に関係するお仕事がたくさんのっています。お父さんの仕事ものっていました。お父さんに聞くより本のほうが、どんなことをしているのか理解できました。
他にもおもしろそうな宇宙の仕事がたくさんあって興味深いです。
最多読破賞
副賞:図書カード 10,000円分(1名)
優秀賞
副賞:図書カード 5,000円分(10名)

コカコーラ大好き
さん(15)
この本(下巻)は、3人の独裁者たちの経歴と共に、彼らの食卓にまつわるエピソードを紹介している。彼らは全員紛れもなく暴君であり、彼らが統治していた国の人々に多大なる影響を与えたに違いない。時には残虐な行為に及び、冷酷さに磨きをかけていたことだろう。
しかし、そういった「顔」とは違う、新たな「顔」をこの本は浮かび上がらせる。家族や友人とのささやかな憩いが彼らにもあったことを知れた。
その点、私たちと彼らの本質は変わらないのかもしれないという、妙な親近を感じさせられたと思う。

とうふ
さん(17)
最初、哲学は「物事を疑い様々な視点で捉え直して、再構成し、それを言語化する」ということだとはなんとなくわかっていたが、私は「当たり前のことを疑うのに何の意味があるのか?」と思っていた。
ただ、人間の思い込みを疑わないことには、本当の意味を考えることは不可能であると知ったとき、「哲学はなんて興味深い学間なのだ」と今までにない感動を覚えた。
哲学的思考で物事を考えていくことで、「勉強」「いじめ」「友達」「家族」「愛」「進路」といった多方面の話題における問題が明確化されたと感じている。
私も、哲学を信じて物事の本質を見極めることができるようになりたいと思う。

ふう
さん(12)
私がこの本を読むまえは自分なんて生まれてくる価値がないと思ってしまうときもあった。
けど、この本を読んで、お母さんやお父さん、おばあちゃんやおじいちゃん、もっとその先の命があって今ここで私が生きているので、私の命には価値がないわけではない。この命も背負ってこれから生きていこうと思えるようになりました。
この本で一番心に残った文は
「今、目のまえにいる人と、お互いに元気で会話ができるのはこれが最後かもしれない」
という文です。
なので、これからは「あいさつ」や「ありがとう」などを大切にしていきたいと思いました。

クリスティーヌ中谷
さん(11)
この本をよんで本当のことの言い方を気をつけようと思いました。
前に私も主人こうのようにうそがだめなら本当のこと言うけど、これおいしくないよ。といったらとてもおこられた。
だから主人こうの気もちがよくわかる。
自分がどうすれば良いのか。その時何をすればよかったのかわかった。

若草春
さん(14)
この本を読んでいて思ったことは面白い!どんどん読める!
でも決してスルスル内容が入ってくるということではなく、どんなことが次のページに書いてあるんだろうというワクワク感で、次のページを読みたがって先走っている自分がいる感じであり、さすが第百十五回芥川賞受賞作!と思った。
受賞作だからどんなにおもしろいのかと思って買ってみたが、「普通」を求めている社会に対し、主人公が「普通の人生」をマニュアル化して生きることに良さを感じていないが、コンビニのマニュアル化されたシンプルで合理的な世界の中で動くということに関しては欲求を感じているというテーマが本当に面白いと思った。
アンダーエイジ賞
副賞:図書カード 5,000円分(5名)

ほのポン
さん(9)
わたしはこの本を読んで戦争って大変だと思いました。お母さんはこの話を聞いて泣きました。私とお母さんは何が違うのかを考えたら、お母さんは登場人物を自分に重ねたからだと思いました。
本を読んで自分のように感じるようにならないとまた戦争をしてしまうのかもと思いました。
経験していないことを自分のことのように感じるようにするためにはどうすればいいか考えました。それは主人公の気持ちや自分と重なるところを考えながら読むことです。
経験を本から学べることができるから読書は大切だと思いました。

Nanamy
さん(8)
私は三木山森林公園でツバメの巣とヒナやカラスの巣を見たので、色々知りたくなり図書館で借りました。
実はツバメは六個の卵があったら、そのうち二個はパートナーの子ではないそうです。スズメもツバメと同じようなことをしているそうです。
小さな鳥たちは生きのびるために色々工夫をしているんだなと思いました。

ゆうか
さん(7)
わたしは3年アメリカにすんでいました。ライオンのくにのネズミときいて読んでみました。ネズミがリスのともだちをつくったところがすきです。なぜなら、わたしもアメリカに日本人のともだちがいたからです。

はちこ
さん(9)
このお話はいじめをされている人の気持ちも、いじめてる人の気持ちものっています。なので私は、「これからもぜったいにいじめをしちゃだめだな」と思いました。この本を読むことで、今日と明日がすごくかわります。そういうい味で大事な本だなと思いました。
レジェンド賞
副賞:図書カード 5,000円分(5名)

なな
さん(13)
※2024年:奈瑠さん
告白とか、恋愛とか。
今まさに絶賛私の周りでは(学校では)恋バナとか、彼氏エピとかが日常の会話ツールだ。
そして、好きな子ができた、と伝えてきたらみんな決まって言う。「告んないの?」って。かくゆう私も何度も言ってきただろうか。
でも「告白」って何なんだろう?
辞書をひくと秘密をうちあける、みたいなことが書いてあるけど、そうではないよね?
そもそも恋愛=告白=付き合うって正しいのか?分かんない。
きっと正解なんてないけど、でも、恋愛って恋バナのためにあるんじゃなくて、人を愛するためにあるんだ。「想っている相手」がいる人って、すごく幸せなんだ。
本を閉じたとき、私の恋愛観がすっかり変わってそこにいた。

私はこの本を読み作者の二人に尊敬をいだいた。
みくのしんさんの読み方は、本のふとした一文に感情を思いきり流しこんでいる。
私は幼いころから本を読んでいるが、こんな楽しく本を読めたことはない。「走れメロス」では、メロスの人間味に涙を流していた。私にそのような読書はできない。
他にも主人公に共感して、小さな言動に深く心をゆさぶられる。私はそれに焦燥感を覚えたが「本に正しい読み方なんてない」かまどさんのその言葉は私の読み方でもいいんだと思った。
第二作も面白かった。この人たちと本を語ったら、とても面白いだろう。

大好きな物語が文庫本となったことをきっかけに、もう一度読み、感じた気持ちと自分の過去の感想を比べてみた。
昔は「二〇二〇年は大変な年だったが、良いこともあった。」と感じたのに対し、今は「二〇二〇年があってよかった。あの年がなければこの物語が生まれることがなく、今の自分はいない。」と感じた。
それはきっと、この物語に登場する、未知のウイルスに立ち向かう彼らと、彼らを支える大人の姿に心を打たれ、「僕だって」と感じ、努力してきたからだと思う。
今の私ならきっと綿引先生に「君たちは本当に素晴らしい。」と言ってもらえるだろう。
この本は、いつの間にか、私の成長を感じさせてくれる一冊になっていた。
表現力賞
副賞:図書カード 5,000円分(7名)

ひなた
さん(12)
わたしはこの本を読んで今までなんでもなかったところを、特別な場所にして、自分にとってもそこが楽しい場所になったらその場所にいるだけでしあわせな気持ちになれるんじゃないかなと思いました。
わたしもただのかべだった場所を推しのグッズでうめたら特別な場所になりました。

加藤清楽
さん(16)
一言で言うなれば、この作品は「気持ち悪い」となる。
だがそれは作者の驚異的な描写力により、この作品一番の魅力となっている。状況描写もさることながら、主人公の感情描写が特に素晴しかった。主人公は奇行に走っているのに、巧みな感情描写によって私自身が主人公の一部になっているかのように没入していた。
人を選ぶ作品だとは思うが、選ばれし人にはぜひ読んでほしい。

あお
さん(16)
「寄ってらっしゃい見てらっしゃい」
本作ほどこの口上が似合う本にこれから出合うことはないだろう。ぺ―ジを一つめくれば奇々怪々な世界が広がっていて、、一瞬で目を奪われた。始めの行を読めばあとはあっという間、本を読んでいる感覚がなかった。
どちらかと言うと、落語を見ていた気がした。鳥籠から聞こえる探偵の声に、師匠と弟子の会話、犯人の告白、全てが小気味よく、まさに笑劇だった。
作中でお気に入りの文がある。
「怪物にだって論理は通用します」
鳥籠の中で探偵がこれを言うのだ。本作を表す一文はこれだってくらいびしっと決まってる。
何度読んでも味が出るんだから本当にすごい本だ。

あんず
さん(16)
物語は交通事故で妻と娘を亡くした小山内堅という男性が、亡き娘・瑠璃の中に前世の記憶を持つ少女の影を感じる、というところから始まります。輪廻転生を思わせる不思議な展開に、少し怖さもありましたが、読み進めるうちにどんどん引き込まれました。
この本で特に心に残ったのは「欠けたものが再び満ちる」という月の満ち欠けのような仕掛けを通じて、生と死、そして愛の深さを静かに語りかけてくるところです。複雑な構造や伏線が最後に見事につながってパズルの完成を見たような感動がありました。
この本を読んで、愛する人との繋がりは時間や死を超えて続くのかもしれない、そんな想いを大切にしたいと感じました。
毎日の中にある小さな繋がりや言葉をもっと大切にしたいと思える一冊でした。
選書賞
副賞:図書カード 5,000円分(7名)

紅雨
さん(16)
「詩歌探偵フラヌール」は題名に惹かれて読み始めたけど、正直最初は何言ってるのか分かりませんでした。
文章が独特で地の文も情景説明というよりこの本の登場人物「ジュン」が思ったことをそのまま書いてる感じがしました。
けど地の文までも詩っぼくて、語呂が良かったり表現が素敵だったりする言葉がたくさん出てきます。
私の中で意味は分からないけど何となく「好きな本」ランキングトップスリーには入ります。

どばと
さん(15)
ミステリーに飢えていて、事件という単語だけみて手に取った本。
私のポリシーに本の裏のあらすじを読まないというものがあるため、下山事件がノンフィクションの事件とは知らなかった。
しかし。読み進めるとフィクションの物語より数段おもしろいことに気付いた。
戦中・戦後の日本の混沌とGHQの思惑が錯綜し、様々な人間が複雑にからみあっている。下山さんには申し訳ないがロマンがありすぎる、それが下山事件だった。

なな
さん(15)
動けない。
何も考えることができない。
そのくらい衡撃的なラストだった。誰かとこの感覚を共有したい―そんな衡動に駆られる。
二転三転する物語、主人公の思考と胆力、不器用で痛々しい程の愛。
途中までは「正なる殺人」だった。しかし、最後は本当に「正しい」のだろうか。私にはエゴにしか見えなかったが、他の人が読むとどうなるのだろう。
これ以上ない緊張感と裏切りを与えてくれるこの本に出会えたよろこびを私は忘れないだろう。

ココアシガレット
さん(18)
内科にも耳鼻咽喉科にも、何の抵抗も無く行くことが出来る。だけど、同じ身体の不調といえども、産婦人科には行きづらい。
本書を読むまで、産科と婦人科で産婦人科であることすら知らなかった。
本書では、女性の中でも特にレズビアン女性と医療について対話形式で語られる。
今まで普通だと思っていた実は理不尽さや竅屈さを感じ、そして話しづらい現実問題に向き合った女性達に勇気付けられ、枠組みに囚われず自分らしく生きようと思える一冊です。

いちご大福
さん(14)
軽い気持ちで読んだのですが、昔のリアルな蟹工船の不偶な環境に衝撃をうけました。
「おい、地獄さ行ぐんだで!」
不衛生で暴力もしいられる中、生きるために働く労働者たち。たまに出る現実逃避のような痛々しい笑いでさらに心が苦しくなりました。
そんな中、一人の仲間が監督に殺されたのをきっかけに労働者はストライキをおこします。みんなでならできるという希望が見え読んでいてうれしくなりました。一度は失敗するも再度いどむ姿に勇気をもらいました。
学生も出ており、環境を変える行動力に感動しました。
最後に、この本の労働者一人一人に名前がないのは、団結した労働者合わせて主人公だからかなと思います。
マイナビ特別賞
副賞:図書カード 5,000円分(5名)

書架上のニュートリノ
さん(17)
まだこの「小説」に出会っていない人が心底羨ましい。なぜなら年間250冊以上小説を読む私的2025年上半期「読書中体に走った電流の衝撃ランキング」ぶっちぎりの一位だからだ。とくにあの最後の一行…。感想を書いている今でさえ興奮はとまらない。
十七年生きてきて私はよく、なぜ本を読むのだろう、という問いにぶつかっていた。私から「読書」をとったら何も残らないのではと恐れていた。
でもこの「小説」を読んでいる間は、ファンタジックな世界に息をとめてしまうほどのめり入んでいた。この感情を表す言葉を探すために頭の中をひっかきまわしてもみつからなくて、悔しくて、もどかしくて。それでもまた新しい世界への扉を開けるためにページをめくる。
この『小説』で彼は言っていた。
「星は小説と同じだ。人も小説と同じだ」
と。私にはこの「小説」こそがシリウスだった。そして先生だった。
私はこれからも本を読む。辛いとき、苦しいとき、嬉しいとき。
今後何があったって大丈夫。だって私には本がある。そう思える小説だった。

たんぽぽ
さん(17)
この本は、届かないと思っていた声が、ほんとうは誰かに届いていると教えてくれました。
家族から傷つけられ、声をなくした少年。自分自身も過去に苦しんだ主人公は、少年の「助けて」を見逃しませんでした。
ふたりが少しずつ心を通わせていく姿に、何度も胸が熱くなりました。
私も誰かの小さな声に気づける人でありたいと思いました。

通りすがりの図書委員
さん(18)
衝撃的なタイトルなのにあのくもん出版!?と思って購入し、読み始めました。
一体どんな恐ろしいストーリーだろうと思いましたが、学生特有の悩みや友達との関係のあり方がつまっているストーリーでした。
自分に大きな悩み事があるときや、周囲の人が悩んでいるときにどうするべきなのか、主人公はどうすればよかったのだろうと考えさせられる物語でした。

よっちゃん
さん(18)
世の中の大多数の人はいつの間にか恋をして、結ばれて、家族になる。
主人公奈月は、この「恋」を人々(=地球星人)が繁殖するために作り上げたシステムだと言う。
「恋」が尊いものだとされている世の中で、彼女の考えはあまりに無機質である。しかし、周りの友人たちが「恋」に憧れを抱いている隣でそれと同じになれない私は彼女の考えを否定できない。
むしろ、表立って言うことが憚れる心の奥底に閉じ込めていた感情を、彼女が言語化してくれたように思う。
私はこの先の人生で「恋」が尊いものだと心から思える日が来るのだろうか。
どれだけ時間がかかってもいいから、諦めることだけはしたくない。

くす
さん(16)
今まで読んだことがないような斬新なミステリであり、タイトルである「その可能性はすでに考えた」と作中で登場する度にどのようなロジックが明かされるのか、ページをめくる手が止まらなかった。
私が思う一般的なミステリとは異なる「否定」することに焦点を当てているところが面白かった。天才的な頭脳を持つ探偵・上笠丞の論理が展開される前に、自分で様々な仮説を立ててみたが、どれも上笠の推理には遠く及ばなかった。
一通り読み終えて再び読み返しても先が気になって一気読みしてしまう熱量が冷めることはなかった。私は普段から同じ本を繰り返し読むという癖があるが、本作は比べ物にならない程私を魅了させた。
一つのトリックだけでも小説を書き上げることができるだろうに、何個も濃密な推理対決を繰り広げられることによって脳が痺れた。
小難しい言い回しもあったが全体を通してテンポ良く読むことができ、鮮やかであった。
全てのキャラクターが個性的であることもお気に入りの作品である一つの要因なのかもしれない。
YA出版会特別賞
副賞:図書カード 5,000円分(5名)

たらんの
さん(16)
この本を続んでから、現実と理想を意識するようになった。
この本では現実で生きるカを実弾、逆に理想を砂糖菓子の弾丸と表現している。
私の学校が専門の学校だから実弾を磨き続けている。その反面、自分では趣味に時間を取り続け、砂糖菓子の弾丸を磨いている。そのギャップに苦しめられている。
しかしそれはいつか考えないといけない。
16歳という進路を考えなくてはならない今の時期に、この本に出会い、考えることができたのは、幸せなのかもしれない。

リナ
さん(12)
この本『硝子の塔の殺人』を読み終えた時、私はとても感動し、言葉を失っていた。
『硝子の塔の殺人』はただのミステリーではない。この本は、本という存在の魅力を再認識させてくれる一冊だった。
物語の舞台は、孤高の塔に集う作家たちと、そこで起こる密室殺人、その構造はまるで読者を試す知的な迷宮。ページをめくるたびに伏線がからみあい登場人物の言葉が意味をかえていく。私はその塔の中に閉じ込められているような感覚で読み進めることしかできなかった。ちみつなプロットと巧妙なトリックにほんろうされながらも、ページをめくる手は止まらなかった。
何よりおどろいたのは作者の「本」への愛情と敬意が物語の隅々にまで染み渡っていること。登場人物たちの会話、引用される古典、そして犯人の動機に至るまで、本を読むこと、書くことの意味が問い直される。
この作品は、読者に「あなたは何故本を読むのか?」と静かに問いかけてくる。そしてその問いは物語がおわった後も心の奥に残り続ける。
読み終わった今、私はこの本と出会えたことに感謝している。それはまるで長い旅の果てに見つけた宝石のような感覚。『硝子の塔の殺人』との出会いは私にとって“本との素晴らしい出会い”そのものだった。この出会いが、これからの読書人生をさらに豊かにしてくれる気がする。
もしこの本を読んでない人がいるのなら、ぜひ手にとってほしい。そして、ページの向こうに広がる「本の世界の奥深さ」に触れてほしいと思う。

屑餅
さん(13)
この本は、物心ついたころから家にあった本です。とてもお気に入りで小学生から中二の今でもずーっと読み続けています。
この本の好きなところは目の付け所がとても独持で何回読んでも新しい気づきがあるところです。不思議な世界観でとてもひきこまれるお話や詩がいくつも載っているため飽きません。
その中でも自分は『幽霊をさがす』と『葉っぱの魔法』が特に好きです。魔法と驚きに満ちていてとてもどきどきします。
夢の世界のようなお話で何回でも読み返せる素敵な本です。

ハピネス
さん(10)
私は学校にはってあったポスターでこの絵本を知りました。そこには、
「かなしいきもちにはね、ふたをしなくていいんだよ。」
という言葉と、やさしいネズミのおやこの絵がありました。
つらいことがあっても、この絵を見るとほんのり少しだけ元気が出ます。この本は心によりそってくれるやさいしい絵と言葉にあふれています。私はやさしい気持ちになれるこの本が大好きです。
これからもこの本は私の心の支えになってくれると思います。
授賞式の様子
2025年11月に東京・大阪で授賞式を開催しました。 授賞式に参加いただいた方には、表彰状および副賞をお渡ししました。



















