• 発売日:2024/11/01
  • 出版社:南江堂
  • JAN:4910068031143

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内科 2024年 11月号 [雑誌]

内科 2024年 11月号 [雑誌]

通常価格 2,970 円(税込)
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商品説明
 今から25 年くらい前(西暦2000 年前後),私はまだ大学院生として炎症性腸疾患(IBD)の基礎研究を行っていたが,当時は5‒ASA 製剤,ステロイド,免疫調節薬,栄養療法くらいしかなく,動物実験モデルなどを使って新規治療薬の可能性となるものをいろいろと探索していた時代であった.当時は免疫学教室にお邪魔して実験をしており,抄読会などを定期的に行っていたのだが,その頃に『動物実験でインテグリンという物質を制御することで腸炎が改善したらしい』とか,『p40 蛋白はIL‒12 だけに存在するわけではなく,新しく見つかったIL‒23 というサイトカインもp40 蛋白をサブユニットとしてもっているらしい』とか,『JAK 経路というものが腸炎の発症メカニズムに関わっているらしい』というような興味深いいくつかの論文が話題となっていた.当時はまだ,それらが実臨床で使われるようになるのかどうかもよくわかっていなかったが,蓋を開けてみれば現在ではそれらは実際にIBD 治療薬の重要なターゲットになっており,毎年のように新規薬剤が登場している.

 治療薬だけではなく,IBD の診断や病勢評価についてもここ数年での進歩は大きい.たとえば,以前の画像診断はX 線透視や上部・下部内視鏡検査が主流であったが,バルーン内視鏡やカプセル内視鏡などの登場で小腸病変を内視鏡的に直接評価することが可能になり,またエコー,CT,MRIなどで腸管の全層性の炎症の評価を行うことも盛んに行われるようになってきた.内視鏡的活動性の評価方法も新しいものがいろいろと考案され,従来のものに代わって新規のものもグローバル治験で広く使用されるようになってきた.また,バイオマーカーも以前はCRP や赤沈に頼ることが多かったが,最近では便中カルプロテクチン,LRG,PGE‒MUM などの新規バイオマーカーが次々と臨床の場で使用できるようになってきている.このように現場の診療は大きな変革と躍進の時代を迎えているといえるが,薬剤治療選択にしても病勢の評価方法にしても選択肢がどんどん増えていくことで臨床医に迷いや混乱が生じつつあるといった感も否めない.

 本特集では若い先生にも多く参加していただいて,独自の見解をなるべく多く述べていただき,執筆者の個性を存分に発揮していただくことで,より新鮮で切れ味のある内容になることを目指しており,読者の皆様が退屈することなく最後まで一気に読破できるような魅力的な内容になるように構成した.ご多忙のなかご執筆を快諾していただいた先生方に厚く御礼を申し上げるとともに,読者の皆様には明日からのIBD 診療にぜひ役立てていただき,本誌が一人でも多くのIBD 患者さんのためになることを祈念している.

杉本 健(浜松医科大学 内科学第一講座)
目次
[特集]炎症性腸疾患update
企画:杉本 健

[Chapter 1]IBDの病態・診断・病勢評価のupdate
 IBDとはどのような病気か 櫻庭裕丈 ほか
 IBD診断の進め方 岡本典大 ほか
 IBDと鑑別すべき疾患とその診断方法 長坂光夫
 IBD臨床的疾患活動性の評価 大野将司・馬場重樹
 IBD内視鏡的活動性の評価  内山和彦・髙木智久
 IBD内視鏡以外での腸管病変の評価法 Cross—sectional imaging;腸管超音波,CTE,MRE 松本啓志 ほか
 バイオマーカーの使い方 石田夏樹 ほか
 IBDの病理学的評価 明本由衣
[Chapter 2]IBD治療のupdate
 UC内科治療 ①(ステロイド前) 塩田純也 ほか
 UC内科治療 ②(ステロイド治療) 橋本真一・高見太郎
 UC内科治療 ③(ステロイド後) 澤田つな騎 ほか
 UC関連腫瘍性病変の内視鏡切除 糸井祐貴 ほか
 CD内科治療 ①(腸管炎症の制御) 藤井俊光
 CD内科治療 ②(腸管狭窄に対する内視鏡治療) 中村正直 ほか
 CD肛門病変の治療 太田章比古・近藤 哲
 CD消化管外科治療 松田圭二 ほか
[Chapter 3]IBD special situationのupdate
 小児IBD治療の実際,成人移行支援の課題 熊谷秀規
 高齢者IBD治療の注意点 穂苅量太 ほか
 妊娠・出産時のIBD治療の留意点 杉本 健・幸村友季子
 5—ASA不耐の診断と治療 高原政宏 ほか
 回腸囊炎に対する治療 秋山慎太郎
 腸管外合併症に対する治療 猿田雅之
 IBD治療中の感染症合併に対する治療・対策 志賀永嗣 ほか
 IBDと鑑別すべき薬剤起因性腸炎 梁井俊一・松本主之
[Chapter 4]未来のupdate
 IBD診療における腸内細菌叢制御の意義 石川 大・永原章仁
 COVID—19とIBD診療 渡辺憲治 ほか
 IBD新規治療薬の展望 高川哲也・新﨑信一郎

[連載]
内科医のための睡眠外来入門
 CASE 4.「歯ぎしりが強いと言われます」 立石知也
ほんとに意味あるの? その感染対策・感染症治療
 第9回 お見舞いに花 中村 造
イメージで捉える呼吸器疾患
 第22回 インフルエンザ後の二次感染 「インフルエンザ後に熱と咳が続いています」 皿谷 健
ほんとに意味あるの? その感染対策・感染症治療
 第8回 抗菌薬へのアレルギー歴 中村 造
内科医が精神科のくすりを処方する。
 第16回 精神病に使うわけではない抗精神病薬 ② 國松淳和
イメージで捉える呼吸器疾患
 第21回 肺膿瘍「熱で動けません」 皿谷 健
Focus On
 「ダニに刺されたかも」といわれたらどうしたらよいですか? 夏秋 優
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