皮膚病診療2025年2月号
特集 皮膚筋炎のすべて
(浅井 俊弥 編集委員)
本誌初の「皮膚筋炎」特集号は1996年10月に発行された.当時は内臓悪性腫瘍のデルマドロームとして重要であること,そして小児の皮膚筋炎は成人とは疾患の全体像が異なることがポイントだったように思う.次の特集は2009年9月である.この号の「Topics」では聖路加国際病院の三井純雪先生,衛藤 光先生がmechanic's handについて,臨床的,病理組織学的特徴を報告してくれた.さらに「展望」には,当時金沢大学に在籍されていた長谷川 稔先生に抗ARS抗体症候群の総説を書いていただいた.その文中に筋炎関連の自己抗体についての当時の新規知見について言及がある.そして,さらにここ10数年で皮膚筋炎/多発性筋炎に関する多くの研究成果が,とくに本邦から発信され,大きな進歩を遂げた.皮膚症状の特徴,悪性腫瘍と間質性肺炎のリスクが各種自己抗体と紐づけされ,2014年1月に抗ARS抗体,2016年10月に抗MDA5抗体,抗TIF1-γ抗体,抗Mi-2抗体が保険収載されて以来,一般皮膚科医にも診断が可能な疾患群となった.さらに最近では47種類の筋炎関連自己抗体の検索が可能となり,今後もますます発展,進歩が期待される領域となった.
今回の特集では,まず冒頭に筋炎特異的自己抗体の種類と,それに関連する皮膚症状,全身の併発症状をまとめた濱口儒人先生の総説を掲げたので,ご一読願いたい.また,明石憲佳先生,室 慶直先生には皮膚筋炎の皮膚症状を中心に,膠原病診療のコツをまとめていただいた.ぜひ日常診療の参考にしていただきたい.皮膚筋炎の治療に関しては,山本麻琴先生らが,皮膚病変の治療に対する薬物療法について解説してくださった.
自己抗体ごとに集積した個別の症例報告は実に多彩である.とくに併発症状や特徴的な皮膚症状,そして自己抗体の治療による変動についてなど,それぞれの症例に注目すべきポイントがあるので,ぜひ完読いただきたい.