■シリーズ「袴田さん無罪判決」
「はたして検察は控訴するのか」「『再審法』は改正されるのか」
「9・26」無罪判決を受けて、これからどうなる?
事件発生から58年にして、袴田巖さんにようやく無罪判決が。だが問題はこれで終わったわけではない。本号発売前日(10月10日)の控訴期限までに検察が控訴する可能性が残されているからだ。また仮に控訴せず無罪判決が確定したとしても、判決はもちろん、やり直しの裁判が行なわれるまでにこれだけ長い時間がかかったことの反省を、国会で動き始めた「再審法」の改正議論へとどうつなげるか。本号では以上2点について報告と考察を行なうこととした。
●超党派議連が今春発足、法務大臣に要望書
再審法の改正求めるもなお分厚い「法務省」の壁
佐藤和雄
「9・26」無罪判決を受けた形で弾みがつきそうなのが、国会における再審法(刑事訴訟法の再審制度の規定)の改正をめぐる議論だ。これまで多くの国会議員がその問題を認識しつつも行動を起こさなかった。が、袴田さんの再審開始、日弁連による強い働きかけにより今春ついに超党派議連が発足。すでに会合も重ねられているが、改正への道のりは容易ではなさそうだ。
●「再審開始・釈放」決定をした元裁判長や関係者らに取材
「判決は出た。では、ここから何が始まるのか?」
粟野仁雄
待望の無罪判決から3日後、袴田巖さんは集会の場に姿を見せて喜びを語った。だが控訴期限(10月10日)までは依然として予断を許さない状況が続く。以後も解決しなければならない課題は山積状態だ。10年前「裁判長」として再審と釈放を認める決定をした弁護士の村山浩昭さんや関係者の各氏に「いま私たちがなすべきこと」などを聞きながらまとめたレポート続報。
●映画『拳と祈り』笠井千晶監督に聞く
カメラが捉えた不屈の祈り
袴田巖さんを22年間追い続けたドキュメンタリー映画『拳と祈り ―袴田巖の生涯―』が完成、10月19日に公開される。監督は静岡放送の報道記者だった笠井千晶さん(49歳)。この映画を作るために独立し、奥行きのある映像表現を目指した笠井さんに、作品へ込めた思いを聞いた。
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■再被災で「元日に戻った」奥能登
なぜ「洪水浸水想定区域」に仮設住宅を建てたのか
吉永磨美
元日の大地震で被災した能登半島北部を豪雨が襲い、再び大きな被害をもたらした。自宅から避難したはずの仮設住宅でさらに被災し、なけなしの家財を失った人も。能登の被災が浮き彫りにしたこの国の課題とは。