序 章 蘇った写真
信じられない幸運
ちぐはぐな会話
第一章 四冊の古いアルバム
誕生、そして事故
盲唖学校入学
ヘレン・ケラーとの邂逅
第二章 写真との出会い
父から贈られた卒業祝いの二眼レフ
コンテスト初入選
戦時下の結婚生活と撮影奉仕
玉音放送の聴こえない終戦
第三章 井上カメラ店開業
「キャンプ博多」PX写真部勤務
妻任せのカメラ店経営
父親失格
第四章 「決定的瞬間」を撮る
“心の師”木村伊兵衛と田中雅夫
コンテスト荒らし
リアリズム写真への取り組み
多弁な表現者
第五章 米軍基地の友人
アメリカ人と撮影会へ
三十年後の再会
もう一人のアメリカの友人
第六章 返還前の沖縄への旅
「パスポート」を携え沖縄へ
「イチャリバ・チョーデー」の精神
沖縄のろうあ者との精力的な交流
周縁に置かれた者の共感
第七章 ろうあ運動のリーダーとして
二つの組織の会長を兼任
五十三歳、運転免許取得!
健聴者との「壁」を乗り越えて
第八章 全国のろうあ写真家を一つに
全日本ろうあ写真連盟創立
プロが見た「ろうあ写真コンテスト」
リーダーシップを失って……
障害者初の全日写連委員に就任
第九章 『想い出の街』
井上カメラ店閉店
岩田屋のキャンペーン
「あの巡査は私です」
第十章 三十二年目の沖縄再訪
「ヤマトンチュが見た三十年前の沖縄」
二冊目の写真集『あの頃』
第十一章 アルル国際写真フェスティバル
「パリ写真月間」に出品
主を失ったアルルからの招待状
アルル名誉市民に
「私を見てください、私もあなたを見ます」
あとがき
文庫版あとがき
「過去」が「未来」を連れて来る 大竹昭子
取材協力者・団体/参考文献