日本人にも馴染みの深い「四大奇書」の『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』『金瓶梅』。出版バブルを迎えた明代後期は、人々が規範や常識を超えて、自分らしい人生を求めた、熱狂の時代だった。いかにして話し言葉による「白話小説」は生まれたのか。なぜアウトローが主人公で、反体制的なのか。作品を刊行した真の狙いとは何だったのか。元代から清代まで辿り、政治史・世界史からのアプローチも用いて、中国文学史の謎を解き明かす。
■モンゴル人による支配が、話し言葉で書かれる背景に!?
■戦争に憧れ、自分自身を最前線の将軍に任命・派遣した皇帝
■明の出版バブルの引き金となったのは、日本の銀だった
■知識人の曹操が、『三国志演義』の敵役となった理由
■『水滸伝』をエリート層に広げた、当時流行の思想とは
■『金瓶梅』は復讐のために書かれた小説だった!?