学習障害には、「読み障害」「書き障害」「算数障害」が
ありますが、本書では「算数障害」について理解して、
子どもにわかりやすく算数を教えることができます。
1)クラスで困っている子に気づく、チェクリストつき!
算数障害のある子の特徴は、計算ミスが多い、または
文章題ができないというものなので、「算数が苦手・嫌
いな子」などと見過ごされてしまいがちです。
本書のチェックリストで、算数障害の可能性を早期に
見つけられます。
2)みんながつまずく単元をわかりやすく指導できる!
算数障害のある子がつまずく算数概念や学習内容は、
計算のくり上がり・くり下がり、桁や単位、概算や筆算
など、算数障害のない子もつまずきやすいものです。
また、それらは算数学習のキーポイントでもあります。
学校の授業に、10分程度の時間でできる活動を取り
入れることで、みんなにわかりやすい指導ができます。
3)子どもに合わせてタイプ別に指導ができる!
本書では、算数障害のある子どもを8タイプに分類し、
それぞれのつまずきポイントと基本的な指導法を示し
ています。子どもの様子を具体的にイメージしながら、
通級や特別支援学級、家庭などで、子どものタイプに
合わせて個別に指導することができます。
①数字を聞き間違え、書き間違うなどの「数処理が苦手なタイプ」
②暗算・九九の暗記ができないなどの「小さい数の計算が苦手なタイプ」
③計算手順を失敗するなどの「計算の手続きが苦手なタイプ」
④筆算の桁がずれるなどの「空間の認知が苦手なタイプ」
⑤数の位がわからないなどの「序数性が理解できないタイプ」
⑥およその数がつかめないなどの「基数性が理解できないタイプ」
⑦文章題内容をイメージできないなどの「統合過程が苦手なタイプ」
⑧記号を間違い、立式できないなどの「プランニングが苦手なタイプ」
【目次】
1 算数障害とは
算数障害かどうかチェックしよう!/「計算する・推論する」につまずきがある算数障害
2 算数障害の子どものタイプを知ろう
数処理(数の変換)・数処理が苦手なAくん/計算・小さい数の計算が苦手なBさん/計算・大きな数の計算が苦手なCくん/計算・大きな数の計算が苦手なDくん/数概念・序数性が理解できないEさん/数概念・基数性が理解できないFさん/文章題・統合過程が苦手なGくん/文章題・プランニング過程が苦手なHくん
3 算数障害の学習指導法
4 測定・表とグラフ・図形の学習指導法