カントはおもしろい!
すべての哲学はカントに流れ入り、カントから再び流れ出す。西洋哲学2000年の伝統を破壊した衝撃の書『純粋理性批判』。「私」、「世界」、「神」の考察から、「時間」、「空間」の構造、形而上学の運命まで。あらゆる思考の極限を究めた哲学史上最大の金字塔を、やさしく、ヴィヴィッドに読みつくす!
[本書の内容]
プロローグ 1+1はなぜ2なのか
カントのプロフィール
序章 すべての哲学が失敗した理由
1 「本当に在る」とはどういうことか
2 存在するとは知覚されることである――実在論と観念論
3 感覚のうちになければ知性のうちにない――経験論と合理論
1章 『純粋理性批判』の建築現場
1 導きの糸としての現象
2 沈黙の一〇年の苦闘――『批判』成立前夜
3 伝統的な真理観――理性・知性の優位
4 形而上学のすべての秘密を解く鍵
2章 『純粋理性批判』見学ツアー
1 形而上学とは何か――序文
2 時間・空間とは何か――超越論的感性論
3 真理とは何か――超越論的分析論
4 カテゴリーこそ客観的認識の根拠である――超越論的演繹論
5 理性そのもののうちに潜む錯誤――超越論的弁証論
3章 『純粋理性批判』の動揺
A カントの不安
1 ハイデッガーのカント解釈
2 感性と悟性の〈共通の根〉
3 イエナ期ヘーゲルの慧眼
B 理性の深淵
4 真理のダイナミックな性格
5 『純粋理性批判』から最晩年『オプス・ポストゥムム』へ
6 真理は本当に存在するか
エピローグ カントの広さと深さ