はじめに
第一部 「日本人論」の不安
第一章 「日本人論」が必要であった理由
日本について考えるとは「比較」すること/日本の三つのモデル/江戸時代の「外国」/他<br>
第二章 「富国強兵」──日清・日露の高揚期
四冊の日本人論/書いた四人/『日本風景論』/『代表的日本人』/他
第三章 「近代の孤児」──昭和のだらだら坂
その後の四人/「日本人論」が必要とされなかった時期/他
第二部 「日本人論」の中の日本人たち
第四章 臣民──昭和憲法による民主主義的臣民
短いまえがき/戦後最初の日本人論/「しかしまた」と「ふさわしい位置」/他
第五章 国民──明治憲法による天皇の国民
滅びる日本を憂うこと/「国民」の前身としての幕末浪士/他
第六章 「市民」──タテ社会と世間
日本人が生きている世界/「兎角に人の世は住みにくい」/他
第七章 職人──もの言わず、もの作る
日本人は職人/職人とは「生き方」/「工夫」がだいじ/一九六〇年代の変容
第八章 母とゲイシャ──ケアする女たち
『「甘え」の構造』のいま/「甘え」はよいのか悪いのか/他
第九章 サムライとサラリーマン──文と武の男たち
「高貴な野蛮人」としての武士/乃木将軍と『武士道』/いまに生きるモデル/武士からサラリーマンへの変容/他
第十章 「人間」──すべてを取り去って残るもの
「人間」という名の日本人/ユダヤ人とのコントラスト/他
第三部 これからの日本人論
第十一章 これまでに日本人論が果たした役割
三つの時期の日本人論の果たした役割/積極的で対外的な第一の時期/防衛的で、内向的な第二の時期/他
第十二章 これからの日本人と日本人論
「日本人論」が必要でなくなるとしたら/他
参考文献
「日本人論」関連年表(太字は「日本人論」に関わる著作)
あとがき
学術文庫版へのあとがき 『「日本人論」再考』、その後