「人間の文化は遊びにおいて、遊びとして、成立し、発展した」。歴史学、民族学、そして言語学を綜合した独自の研究は、人間活動の本質が遊びであり、文化の根源には遊びがあることを看破、さらに功利的行為が遊戯的行為を圧する近代社会の危うさに警鐘を鳴らす。「遊びの相の下に」人類の歴史の再構築を試みた不朽の古典をオランダ語版全集から完訳。
[本書の内容]
まえがき――導入
第一章 文化現象としての遊びの性格と意味
第二章 言語における遊びの概念の構想とその表現
第三章 文化を創造する機能としての遊びと競い合い
第四章 遊びと裁判
第五章 遊びと戦争
第六章 遊びと知識
第七章 遊びと詩
第八章 形象化の機能
第九章 哲学のもつ遊びの形式
第一〇章 芸術のもつ遊びの形式
第一一章 「遊びの相の下に」立つ文明と時代
第一二章 現代文化のもつ遊びの要素
原 注
解 説
原本あとがき
学術文庫版あとがき