【どうして起こる? この先どうなる? 】
統合失調症について、きちんと理解されていないことは、まだまだたくさんあります。
なかには、患者さん本人や家族が誤解していることもあります。
統合失調症で起こる特徴的な症状には、対応に悩む人もいるでしょう。
本人にどう接すればよいか、いつになったら状況が変わるのか、
はたして回復するのかと、家族や周囲の人は悲観的になりがちです。
けれども幻覚、妄想などの症状が現れる時期は急性期のときだけ。
やがて精神的に落ち込み、身体的な活動性もグッと少なくなります。
そして病気の状態は少しずつ変わっていきます。
ほとんどのケースでは、ゆっくりと、波をうちながら確実に改善に向かっていきます。
また、近年、統合失調症に関する治療法が、だいぶ変わってきました。
なにより大きな変化は、患者さんを入院させるのではなく、
地域の中で暮らしていけるようにすることです。
そのための支援や福祉サービスが整理され、
社会とのつながりを保ったまま治療を進められるようになりました。
薬物療法や精神療法が進歩し、訪問診療も受けられるようになっています。
本書は、統合失調症の理解に役立つように図解でわかりやすく、
患者さんの回復を支える一助となる一冊です。
*本書は2005年発行の『統合失調症 正しい理解と治療法』に最新の情報を加えた新版です。
【本書の内容構成】
第1章 こんなときどうする? 症状とその対処法
第2章 どうして起こる? 病気のしくみを理解する
第3章 どうやって治療する? 薬の使い方を知る
第4章 これからどうする? 社会復帰に向けて
第5章 この先どうなる? 地域で暮らすために