【ひと目でわかるイラスト版】
【手洗い、確認…、一度始めると止まらない!】
100人のうち1~2人は、生涯のどこかで強迫症とされるような症状に悩まされるといわれます。いやな考えが浮かんで消えない、何度も同じことをせずにはいられないといった自分でコントロールできない症状に苦しみ、日々の生活にも影響しているようなら、そこから抜け出す手立てが必要です。
強迫症にみられるこだわりの強さから、「発達障害(生れながらの特性)」と診断されることもあります。症状に悩んでいても「発達障害だから」「そういう性格だから」などと考え、「治せない」とあきらめている人もいるでしょう。しかし、強迫症は治せる病気です。
ただし、強迫症を治すには、本人や周囲の人の深い理解が必要です。
すべて医師に任せていればいい、いやなことはせず、薬を飲んでゆっくり休もう、家族はできるだけ本人の望むとおりにふるまおう――こうしたほかの病気ならうまくいくようなやり方は、強迫症の場合、悪化につながってしまうのです。
強迫症をいかに改善していくか、家族はどう接していけば悪化を防げるのか、具体的な実践法を示していくのが本書です。強迫症の治療法として最も有効とされるERP(エクスポージャーと儀式妨害)を中心に、回復に向けた道筋を示していきます。
【強迫症の主な症状】
*不潔恐怖・疾病恐怖・不道徳恐怖 「汚れること」への嫌悪
*加害恐怖 他人に危害を与えたのではと悩み続ける
*不完全恐怖 理想と現実のギャップを埋めたい
*洗浄強迫 手洗い、消毒……一度始めると止まらない
*確認強迫 本当に確認したのか確認したくなる
*順序強迫・計画強迫「決まったとおり」でなければ許せない
*強迫性緩慢 行動は止まって見えるが頭の中は忙しい
*縁起強迫 儀式をするほど不吉な予感が増えていく