「量子論の名著歴代ベスト10」(英紙ガーディアン)選出の傑作ロングセラー!
1925年、ハイゼンベルクの行列力学によって誕生した量子力学。
この新しい物理学を疑うアインシュタインが、1935年のEPR論文で打ち出したのが「量子もつれ」だった。
たとえ100兆km離れていても瞬時に情報が伝わる“不気味な遠隔作用”が、ボーア、シュレーディンガー、パウリ、ボームらを巻き込んで、長く、激しい論争を巻き起こす──。
量子論の運命を決定づけた「ベルの不等式」とはなにか?
自然は本来、「確率が支配する世界」なのか?
隠れた変数、局所性と非局所性、量子の実在をめぐる議論……。
物理学の常識を書き換えた量子力学100年の発展史を克明に描く、圧倒的に面白い「読む科学大河ドラマ」!
〈内容構成〉
第1部(~1935年) 生涯の友人だったアインシュタインとボーアは、長い論争へと突き進んでいく。その原因は──、「量子もつれ」であった。
第2部(1940年~) 「決定論」を信奉する物理学者たちは、“不完全”な量子論に納得できず、「隠れた変数」理論に救いを求める。
第3部(1952年~) 「隠れた変数」を否定するフォン・ノイマンに反発したジョン・ベルは、自らの理論を追究する。量子論の運命を転換させる1964年が、目前に迫っていた──。
第4部(1981年~) ベルを追う世代の科学者たちによって操作が可能となり、実用の場へと躍り出た「量子もつれ」は、世界をどう変えていくのか──。