評判の専門病院のノウハウでBPSDを防ぐ
この本の監修は、埼玉県和光市にある認知症専門病院、和光病院の看護部です。 和光病院は、一切の身体拘束をしないケアを実現しており、重度の認知症患者さんも多く入院しているにもかかわらず、病棟は静かで、患者さんたちは、穏やかな日常生活を送っています。このように、ケアに定評のある専門病院の看護部がそのノウハウを公開する認知症ケアの本は、類書がなく、とても役立つ1冊になっています。
本書の前半は病院で実践していること、後半は家庭での介護へのアドバイスです。
前半では、「コミュニケーション」と「環境」と「サポートの仕方」の3つの視点から、BPSD(行動・心理症状)を防ぐケアが紹介されます。
後半では「和光病院式認知症ケアに学ぶ日常の介護」として、
生活環境、食事のこと、トイレの対応、お風呂のこと、睡眠のこと、薬について、など、知りたいことの考え方や対応方法がわかります。
また、困った時の介護の工夫として、異食、弄便、徘徊、幻視、物取られ妄想、暴言・暴力・興奮などへの対処の仕方が具体的に挙げられていますので、家族が自信を持って対処することができます。
【編集担当からのおすすめ情報】
認知症のケアについて、専門病院の看護部がそのノウハウを一般書にまとめたものは、類書がありません。例えば「質のよいコミュニケーションのポイント10」で、和光病院のスタッフが心がけていること、は、普段忘れがちですが、理由に納得できるので、家庭でも実践可能なことです。
自宅で認知症患者さんを介護するご家族が、毎日の介護で迷ったとき、困ったときに、必ず役立つ1冊です。最新の知見に基づいて工夫されたケアばかりですから、自信を持って患者さん本人に対応できます。
家族でできること、と、病院や訪問看護に任せたほうがよいこと、の区別もアドバイスされており、介護生活の指針となります。